2009年

 7月25日
 

 仕立てで長井漆山港・青木丸グループの「にぜむ丸」から出船した。

 ちなみに、この船は昨年末に訪れた「焼き鳥 そうま」藤が丘店の実家で、親方のお姉さんが嫁いでいるため、田園都市線沿線でも美味しい長井の魚介類が食べられる。

 みんなシイラのみならず、アオイノやアカイノ(カツオとマグロ類)を釣りたくてうずうずしているが、今日はどうなることやら?
 まずはサバのナブラにぶつかったが、40cmを超える大型も多く、ジギングで入れ食いだ。時々同じくらいのかわゆいサイズのシイラも他の人は釣っていた。
 その後はひたすらブイの周りを探るも、ペンペンシイラばかり。
 それも、散水に活きイワシをばらまいてもなかなか出ないのだから恐れ入る。
 一応、私も活きイワシのフカセで3本ほど釣ったが、このサイズならゲームフィッシングで釣らないと面白くないと思い、散水に着いた群れをフライで狙うが、食ってもフッキングミスのみ(泣)。もっと堅いフライロッドが欲しいですな。例えばSAGEの12番とか。
 ルアーでは私を含めて皆様、1本か2本程度かな?
 フラツキのメーターオーバーを同船者が発見するも、すぐ姿を消す。

 こうなったら、カツオやキハダは諦めざるを得ないが、それはそれとして、先日購入したコーラルスター・ドルフィンクラスの振り心地は最高! 実に飛距離が出しやすく、CGPとは別物だ。
 このロッドでフカセ釣りをするのは、あまりにもったいないかも…。
(CGPをフカセ専用で使うという手もあるか?)
 途中で70cm弱のペンペンシイラが来たが、あっという間に引っこ抜き。
 で、ひたすらシイラを探すうち、いつの間にか昼を過ぎ、西の方面に向かうと、数隻のルアー船が操業し、近くでサバのナブラが見える。
 散水と撒き餌で、皆さんもサバを次々に掛けているが、私はドラドペンシルを投げると、トップでも平気で出る。
 思わずサバのトップゲームを堪能するが、水面をリトリーブするルアーに追いすがり、フックアップする。20キロ級マグロをも獲れるコーラルスター・ドルフィンクラスMHにはあまりに小さなサイズだが、これも肩慣らし。
 途中でフライロッドを再び振るが、フライだとルアーほど遠投できないため、どうしても不利な状況は否めないが、それでも楽しんでしまえ。相手はサバなのでシビアに構えるカツオ・メジのいい練習だ。
 何とかフッキングに持ち込んだ最初のサバは、呆気なく抜き上げられたが、その次に来たやつは結構手強く、フライロッドをいい感じに曲げる。
 その後はジギングに戻し、特大サイズだけキープしようと考えつつも、上乗りさんが「小さいのはタコ漁の餌にするから、置いといて」というので遠慮無く釣りまくる。

 沖縄のパヤオ周りに着いてるキメジ・ダルマの難易度は、相模湾のサバレベルですね。
 で、ドラマはこの後に訪れた。
 やはりトップで釣りたいと、コーラルスター・ドルフィンクラスMHを再び振るが、遠投したルアーが船の間際、散水が切れかかる辺りを通りかかった瞬間だった。
 いきなりメーターオーバーのシイラが浮上し、水面のドラドペンシルを引ったくった。
「う、うそっ!」
 土壇場でのストライクで、重みが伝わったところでフッキングをくれるが、一気に魚は船尾(艫)に向かって突進した。
「魚が手前を向いている時なら、追い合わせのハリは深く掛かるが、向こうを向かれるとどうしても深く刺さらない」

 故・西山徹氏の記述を思い出し、何発か追い合わせをくれるも、私は魚に引きずりまわされ、あっと言う間に艫まで引っ張られる。
 右舷に回ってファイトを続行するが、シングルフックがしっかり掛かっているのでバレる気がしない。僚船の第二青木丸もこの様子が見えていたのでは?

 一気に70m近く持って行ったが、あまり跳ねない。むしろ走り回る感じだ。
 この間、沖縄の餌釣りで釣ったやつとは力が違う!
 何とか体勢を立て直し、ミヨシで戦う。相模湾に11年通っていたが、獲れれば初のメーターオーバーだ。フライで掛けたら8lbのティペットは切られる可能性が限りなく高い!
 そして船際まで寄せ、さあランディングと思っても、ここで数回、反転する。
 船底へ潜られたせいでリーダーがザラザラだが、それでも寄せる。下に潜った大型をリフティングするのはきついが、マグロほどの持久力はないはずだ。
 やがて、タモの前で反転しても走る距離が縮まり、ついにネットに収まった。
 ついにシイラの自己記録を更新! ルアーフィッシング万歳!

 額が突き出た見事なオスのシイラは全長120cm、目方は9キロあった。(後ほど解体すると、40cm級のシイラを共食いしていたと判明)
 ついにこんなシイラをルアーで釣ったとなると、シイラ船に乗る人の気持ちも分かる。感動もひとしおだが、こやつをフライで狙うなら、もっとごついロッドが欲しい。
 PEラインだったから、傷をチェックした後、表裏をひっくり返さないと……。

 

 9月4日



 今年はカツオが来るのが遅く、関係者は気を揉んでいたが、8月末頃から本格化が始まった。
 
 先日の台風後、相模湾にカツオの新群れが入ったと知って釣行を決意した。
 型は1キロ級主体だが、これは数釣りが楽しめるサイズ。

 しかも、イワシを追っているので一本釣りはもちろん、コマセよりもジギングで当たりまくっているという、ルアーマン悲願の状況と知り、念のためにマグロタックルも用意しつつ、カツオ用のライトタックル、そしてフライも用意したうえ、カツオのクーラー満タンを夢見て出漁した。
 深田家にはすでに車が多数止まっていたが、殆どのお客さんはワラサなので一安心。乗船手続きを済ませ、車内でもうしばらく休んでから準備にかかると、去年キハダをサメに食われたとき、一緒に同船していたルアーの人と再会!
 ワラサのお客さんが出船直後に、我らがカツオ釣り師も外洋へ走り出すが、今回は一本釣り師が5人とルアーマン1人なので余裕を持って釣りが出来そうだ。
 生け簀のイワシは5cm程度のシコイワシばかりなので、マグロを狙うにはルアーしか手段はないが、今日はどうなることやら?

 で、1時間ほど走ると最初のナブラに遭遇した。
 撒き餌と散水でたちまちカツオが船に着く。すぐさま食ってくるのは1キロから1キロ半ほどの小型カツオだが、特別に活性の良いナブラだけあって、ひっきりなしに食う。
  水面上にカツオが飛び跳ねまくり、上乗りさんたちも恐ろしい勢いで釣りまくる!
 こんな時は餌を落とせば食うので、いかに早く餌を付けるか、魚をすぐ外して次を狙えるかの手返しがものをいう。
 合間に右舷でジグを投げるが、追ってくるものの、フロントアシストでは乗らない。
 
 次のナブラも、その次のナブラも狂ったような勢いで、餌が小さいので付けるのに手間どるものの、どんどん足元のバケツがカツオで埋まっていく。ルアーの人もジギングで結構釣っていた。散水の当たっている側に投げないとだめですね。

 その次はフライを試すが、数回当たったものの、フックアップせずに、このナブラではノーフィッシュ。
 ここで他の人は5本前後は釣っていたが……。
 当然、上乗りさんの釣果は壮絶で、流しの度に船内はカツオだらけ。普段カツオを入れている貯蔵庫は満タンになり、空き生け簀にもカツオと氷を詰め込む。

 この時点で私も28本くらいは釣っていたが、片っ端から血抜きをするので忙しい。鰓と内臓を抜いておかないと氷がすぐ溶けきるし、帰ってからが大変だ!
 他のお客さんも入れ食いなのでホクホク顔。初挑戦でこんなナブラに当たれば、カツオに魅せられること、間違いなしか?

 最後のナブラは、これまた壮絶な勢いでカツオが船に飛び込んでくる。
 イワシを付ける度に、即座にカツオが食うので、とうとう餌掛け用のイワシがなくなった。
 まだ魚はいるので、ならばとフライを振ると2本連続でキャッチ!

 さすがにマグロのチャンスはなかったが、それでも40本くらいは釣り、ダイワのビッグトランクがほぼ満タンになったため、10時半に沖上がりとなった。
  帰港後は大楠漁協へ立ち寄ろうとすると、相洋丸に知り合いのアングラーが!(7月ににぜむ丸で同船) 考えることは同じですね。
 何でもジグと引っぱたき(バケを使った一本釣り)で結構獲ったそうです。
 で、漁協で話を聞いてみると、カツオが獲れだしたのは、ほんの数日前からだが、餌の確保が問題だったとか。
 
 丸吉さんでもバショウカジキ(定置に入ったとか)とカマスサワラの刺身サクに目を止め、焼き物用にヤマトカマスも購入する。

 かくして、帰宅後は魚の処理と道具の片付けに追い回されたが、鮮度抜群のカツオは実に美味!
 もっとでかけりゃ申し分ないが、数釣りもたまにはいいものです。
 次は大型カツオやメジ・キハダが食うようになったら出漁だ!



 10月5日


 10月5日、長三朗丸へ向かった。
 当日は私を含めて4人のお客さんだが、うち3人はフカセのキハダ狙いで、揃ってでかいステラを持って来ている!

 まあ、私も欲ボケ全開でソルティガ&コーラルスターのマグロ用タックルを二組、超ライトラインをセットしたカツオ用タックルに、フライタックルまで持ち出していますが……。

 準備を終えた頃、船長が餌を買ってきたが、一部を港近くの生け簀に移すほど! こりゃ、何杯買ったんでしょう?

 私たちも程なくして乗り込み、出船となったが、事前に聞いていたとおり、最近は餌のイワシが小さい! 7cmもあればいい方だが、その中でも船長の息子さんや上乗りさんが船の生け簀から大型のシコイワシとマイワシを選んでバケツへ移してくれている。
 ほんの数尾ずつだから、マグロが跳ねるまで使えないか?

 などと思いつつ、沖へ出していくと、船長が餌を掬う大ダモを持ってきた。イワシ玉ができているようだ。
 上乗りさんたちがイワシ玉を挟み撃ちし、通常イワシを掬うのに使うタモで掬い始めると、それは「ゴロンボ」と呼ばれる、15cmはある特大のシコイワシ! マグロの餌にも最高だ!

 カツオもこのイワシ玉に着いているようで、私は真っ先にルアーを投げたが、反応はない。
 しかし、右舷ではフカセで次々に食っているので、私もイワシを足下のバケツへ移し、フカセを開始すると即座にギュギューン!
 殆ど2kg弱のカツオだが、次から次へと食らいつき、あっと言う間に5本ほど釣ったので、左舷の散水下でフライに挑むが、バランスが悪いのか、ほとんど追わない。
 
 では、ってんで右舷に戻って超ライトラインを試すと、今度は小型シイラ! 今はお呼びじゃありませんから!
 
 ということで、結局はフカセで釣りまくったが、全然群れが船から離れない。延々と釣れ続く。
 今日はマグロ狙いだったので、カツオに血道を上げる気はあまりないが、一応、一本釣りもやろうかと15本くらい釣ったところで、またもや左舷で餌掛け一本釣りの竿を手に取ったが、数回餌を取られた程度で、なかなかハリに乗らない。

 そうなると、再び遊び心が動き出し、今結んでいるルアーが、ちょうどイワシ玉のゴロンボと同じサイズだと計算し、散水の横にルアーをぶん投げる。   ただ巻きを開始すると、一瞬だけカツッと来て乗らない当たりもあったが、すぐにカツオがヒットした!
「おっしゃあ! ルアーでも食う!」

 かくして、撒き餌と散水の下でボコボコやっている横にルアーを通したものだから、次々にカツオが青い背を見せて走り回り、水飛沫を上げてルアーに食らいつく。
 
 外道でシイラも食らい付くが、コーラルスター76MHのパワーでぶっこ抜き。シングルフックなので素手で外すまでだ。
「ルアーでも食いまくりーっ!」
 これまでルアーでこんないい釣りをした経験がないので、目の前の出来事がどこか現実離れしているように思えるが、これまでの経験とノウハウを活かして釣りまくる。

 船のすぐそばでもルアーにアタックしてくるから油断は出来ない。

 あっと言う間に10本くらいは釣ってしまったが、続いて船のすぐ近くまで来たルアーを、ピックアップ寸前にでかいカツオが襲った!
 しかし、頭を手前に向けた状態で食わせたので、疾走を許さず、のたうつ相手の頭を一気に持ち上げた。
「ダイバンガツオが食っちゃった−」
「どうやって上げる気だ?」
 と、船長も呆れ顔だが、ここはハンドランディングしかない!
 ロッドを左手に持ち替え、腕を伸ばしてルアーをつかみ、そのまま抜き上げる!(後ほど、3、4kgと判明)

 いやー、ルアーでこんなでかいカツオを釣ったのは初めてだが、さらに数本釣り、獲物をクーラーに移しても、まだナブラは続いている。

 見るとフカセの人がマグロを掛けたようだが、バラしたようだ。私もマグロにはフカセが一番とばかり、ライブベイトに戻す。

 たちまちカツオを数本確保したが、その直後、目の前でカツオの3倍はあるでかいボイルが見えた。素早くイワシを流す。
 15mも流したところで、パラパラとラインが持って行かれるが、さらにスピードを増してラインが走ったところで合わせをくれる。
 
 食った! こりゃキメジに違いない!
 
 魚は激しい勢いでラインを引き出し、次は60mほど潜っていったが、その勢いはまさに怪力。ソルティガで戦うにふさわしい相手だ。
 しかし、私はこれまで積んだ実戦経験を活かし、ロングロッドで船底へこすれるのを防ぎ、ダッシュが止まった時点で強引に巻き上げる。

「船長。メボー(キメジ)です。タモお願いします」

 やがて銀色の魚体が寄せられ、タモの前で一暴れしたものの、相模湾のキメジ第1号が上がった。  8、2kgの目方なので、次は10kg級を欲しいと思うが、もう一人のフカセ釣り師もキメジを獲った。

 その後はしばらくカツオのボイルが続く。
 そこでジグを結ぶと、キハダが再びボイルしたのですかさず投げるが食わず。イワシを流したが、今度は魚の前に届かなかったのか?

 と、その辺りで魚の食いが止まったので、魚を下処理しつつクーラーへ移していたが、上乗りさんの釣ったカツオも相当な量! 前回の深田家も真っ青だ。

 しかし、私が釣ったカツオの鰓とハラワタを抜き終わらぬうちに、再びカツオのナブラに到達!
  今度はフライで釣ろうと、先日巻いたフライで挑むとカツオが我先に追ってきて連続で食らい付く! バランスの違いだろうか?
 8lbティペットでも数回のランを交わせば上がるが、またもやショックティペットまで腕を伸ばしてハンドランディングする他ない!
 結構テクニカルですな……。   
 掛かる度に、一度は頭をこちらに向けても、潜っていくのでフライロッドは大曲がりだが、いずれも2kgに届かないサイズなので、いいのが食うまで続けようかと思ったが、5本目でティペットブレーク。
  又もやフカセに戻るが、今度はでかいのが来たと思ったら、カツオの尾鰭にPEが巻き付き、その先のハリに別のカツオが食っているのだから、呆れる他ない。

 マグロの気配はないので、またもやルアーを投げると連続ヒット!
 先ほどと同様、水面直下をただ巻きすると水柱が上がり、それを強引にランディングする。
 お隣の人にもルアーを投げてもらいつつ、他のお客さんが止めているのにも係わらず、ルアーで釣れるという醍醐味に釣りまくる。

 かくして、10時半頃には氷がなくなる恐れがあるというので、カツオ入れのみならず、生け簀も満タンになった時点で帰港した。
 この日の獲物はカツオがざっと50本以上に、8キロのキメジだ。  シイラも7〜8本は釣れたが、さすがにお引き取りいただく他ない。

 いやはや、相模湾に11年通っているが、ルアーでこんないい釣りができて最高!
 次回はキメジの数釣りですね。



 10月23日


 最近、カツオの他にメジが食いだし、キハダもここ数日、かなり上がっているというので、急遽深田家への出漁を決めた。
 
 今日はお客さんが私一人だったが、その分自由に楽しめそうだ。
 餌のイワシは依然として5〜7cmと小さいシコイワシが多い。たまに10cmくらいのが見えるが、それはウルメだ。

 出航後しばらくは、キャスティングタックルでタコベイトを引っ張ってみたが、模様のある海域に到達するや、タックルを巻き上げ、上乗りさんは両舷にビシマ糸の引っ張り道具を放り込む。
 何でも魚影が薄いため、曳きながら群れを探すという。
 引っ張りを目の当たりにするのは初めてなので、これも勉強だ。道具はそれぞれ、親子サルカンを使ってタコベイトを2本結び、口切れ防止か太いクッションゴムを結んである。道具の肝であるビシマは、でかい割りビシを均等にナイロンに止めてあるので、これが速やかにタコベイトを沈めるのだ。

 最初は城ヶ島沖のパヤオに到達し、船でパヤオを数周してから、撒き餌と散水が始まった。
 魚が浮いてこないので、私はシーフラワーをぶん投げ、ジギングで探ってみる。
 数投目のジャークで食った! あまり大きくないようなので、素早く寄せると1.5キロ補とのメジが水面で反転した。
 再び潜っていくが、次の寄せで抜こうと思った瞬間、バラし……。

 船はパヤオを見切り、再びナブラを求めて外洋を走るが、今日は風があるせいか、魚がなかなか浮かない。他の散水をしている船でも難しく、ビシ釣りとジギングで狙う船団を見てもあまり芳しくないようだ。
 それでも数回は散水と撒き餌を繰り返すが、今度はシーフラワーを投げても食わず、ならばとフカセのハリスを細くし、ハリも小降りのものに替えて流すが、瀕死寸前のウルメや、小さいシコイワシは扱いにくい餌だ。
 これを両軸リールで流せと言われたら泣くね。
 ただ、このフカセでも当たらず、時折、上乗りさんの引っ張りにカツオが来るものの、そこで撒き餌と散水をしても魚が浮かないので、かなりの苦戦といえるだろう。

 しかし、11時頃に第一陣が始まった。撒き餌を魚が取り、散水の中と周辺で次々にボイルが上がる。メジのようなボイルもしばしば!
 たまらず一本釣りを開始すると、カツオが竿を絞るが、小振りのカツオなので即、引っこ抜く。おかずにはいいか?
 上乗りさんたちの釣ったカツオが、バタバタ尾で船底を打つ音が辺りに響き、私も小さい餌に手こずりつつも、一本釣りで6本釣った後、強烈な引きが伝わって来た。
 何とか抜き上げたのは、3キロありそうなメジ! こりゃいいねえ。
 今度はメジの群れが船に付いたらしく、強烈な当たりと引きに翻弄されつつも、良型のメジを3本追加する。

 これでお土産は十分とばかり、超ライトラインでフカセに挑むと、こちらでもヒット! どんどんラインを持って行くが、近くに来ている船とぶつからないか、ヒヤヒヤものだ。魚が止まったところでポンピングを開始するが、うまくパーミングしつつ巻き取る。
 いくらラインが細くても、普段のタックルでやっているので、やり取りの基本は何ら変わらない。
 何とか浮かせたが、これまた1キロもないような小型! なんでまた……。

 次は散水の当たっている側でチャレンジするが、シコイワシだと飛ばず、まだ活きていたウルメに替えると飛ぶが、ラインが少し絡んでしまい、その時に食ったのであえなくブレーク!

 ラインシステムを組み直し、次を狙うが、船長が餌を撒き、散水を続けるものの、なかなか当たらなくなってきた。
 それでも鳥に餌を取られないよう、仕掛けを巻き上げようとした瞬間に来たっ!
 間違いなく良型のメジだ。一気に潜るのをロッドワークでかわし、魚のファーストランをしのぐ。続いてリフトアップに入るが、二度目のリフトでラインブレイク!
 ラインシステムが不十分だったようだが、実に残念。
 その後は魚の血抜き処理をし、上乗りさんの水揚げもかなりあったようだが、餌も相当残っているので、再び次の群れを探す。
 
 この後も1回か2回ほど引っ張りに当たり、3キロ半はあるカツオも上がっていたが、散水に入ってきたのは2時過ぎだ。
 一本釣りで3本上げるも、なかなか散水の中には入らないようで、上乗りさんはかろうじて魚が回ってきているが、こちらは不利と判断した。

 ならばとマグロ用のソルティガ&コーラルスターでフカセに切り替え、餌を泳がせると言うより、ラインを潮に流す形で送り出した。
 すると、ラインがビューッと持って行かれるので、5mほど送り込んでから巻き上げる。最大で2キロほどのカツオなので、最後はロッドで抜き上げるまでだ。
 時には抵抗する魚も見えるが、それでも数回の突っ込みを交わせば容易な相手だ。ようやくフカセの本領発揮ですね。
 かくして、6本ほどフカセで仕留めるが、メジの気配がないのは残念。
 そのうちにシイラが出てきたので、今度は左舷でルアーを投げると、タイニーOZMAに小型のシイラがヒットした。
 深田家での初ルアーだが、即座にリリース。

 かくして、期待していたキハダは出なかったものの、カツオ15本にメジ4本(+小型1本)でお土産には十分。
 昨年はメジがだめだっただけに、いいメジが上がったのは嬉しいものです。



 11月9日


  11月9日、葉山の長三カ丸へ向かった。
 
 今年は小型のカツオが多かったものの、最近はメジが好調で、でかいカツオも釣れ始め、おまけにキハダも健在ということで、父と二人でスピニングタックルでのフカセ釣りを考えて釣行した。
 今回は餌も大きなやつを用意して撒いていると聞き、大型魚に期待が持てる。

 餌の入手に時間が掛かり、出船したのは9時頃だったが、おかげで暖かく、11月の釣りとは思えないほどだ。
 これまでは小さな餌が多かったが、一方の生け簀には大型シコイワシが結構泳いでいる。飼い付けの餌らしく、活きの良さが魅力的だが、なぜかコハダサイズのコノシロが混じっている。酢締めにでもするか?
 念のため、私のタックルでタコベイトを曳いてみるが、ナブラにぶつかった際に引き上げる。
 やはりもう一本竿がないと、トローリングには手を出さない方が無難か?

 最初のナブラでは、沖でメジがボイルしているのが見え、父と隣の釣り人(アラスカのサーモンを釣るのが好きだとか)が一本ずつ獲ったが、こちらはシイラだけ。
 苦笑いしつつ、ハリを飲まれたらハリスを切ってリリース。

 しかし、次のナブラが凄かった!
 艫からミヨシへ向かって、ボコボコとあちこちでボイルが向かってきて、一本釣りではポツポツ食うかどうかだったが、フカセでイワシを送り出すと、次々に食ってくる!
 それも、食ってくる品物が、3キロ半はあるキメジや、4キロ級のカツオなので、その走りは実に強烈だ!
 ファーストランで50m近くラインを引き出し、キメジなら真下に潜り、でかいカツオは縦横無尽に走り回るので、寄せてくるまでが一苦労だ。
 足下まで寄せたら、16号のハリスを持ってぶっこ抜くが、掛かりが浅い可能性があればタモですくう。
 
 もっとも、船の真下に2mほどの太いヨシキリザメが着いていたため、父は掛かった獲物を食われ、私はサメが遠ざかるまで魚を遠くで遊ばせ、隙を見て一気に取り込む。
 一本釣りでもでかいカツオは食うが、散水にはなかなか入らないようなので、やり取りに時間はかかれど、ヒット率の高いフカセが活躍した。
 大きな餌なので、アンダーハンドでちょいと投げ、送り込んでいくと、ラインが走り出す。
 一呼吸いれ、ベールを返すとロッドが激しく曲がり、ソルティガのドラグが作動するのだから面白くないわけがない!
 私などは余裕でやり取りするが、父は久しぶりのメジ・カツオだっただけに疲労困憊。
 かなり流す時間があったため、ここで各自5本くらいは確保したが、4キロ級のカツオはやはりでかい! 胴体が太く、長くなり、実に美味しそうだが、これを一本釣る方が、1キロ半程度の小カツオを10本釣るよりもいい!
 これは最高の釣りといえるでしょうね。
 特に、今年は小型カツオを見慣れていただけに、でかいカツオは有り難い。海は凪ぎのうえ、潮が澄んでいるので12号のハリスにしようかとも考えたが、このサイズが出るなら、食い渋らぬ限り、ハリスの号数を落とすことはできない。
 
 この時点で昼にかかるほどだったが、その後はしばし群れを探索する。
 今日は船長と息子さんの二人だけなので、職漁分もどれだけ釣れるかと考えさせるが、餌はまだまだあるので心配はなさそうだ。
 
 餌の生け簀には、初めてコノシロを見たので驚くが、サバフグがいるわ、30cm弱のトビエイまでいて驚かさせられる。
 尾のトゲに刺されたら、生命の保証はできないぞ……。
(タモですくい取り、海にお帰り願いました)
 
 で、次はメジのナブラに遭遇した。
 今度は左舷の散水周辺に多く、私も父も1本ずつに留まるが、どうやら小さい餌を好んで取っているようだ。
 しかしながら、大きい餌でないとすぐ力尽きるうえ、仕掛けを見切られかねないので辛抱強く流すが、船長の息子さんもスピニングタックルで釣るくらい。
 たまにボイルはあるので、散水は続けるも、餌はごくたまに撒きながらのフカセ釣りだが、この方がより釣りらしい。長時間流しながら、ポツリポツリと拾っていく感じですね。

 だが、それも間もなく終了し、3時半になって、他の遊漁船が引き上げ始めても、依然としてナブラを探す。
 途中で、餌を撒いても散水に着かないナブラがあったが、様子見で流した私の餌では一本食った。

 次第に日は傾き、4時半近くになった頃、ついに入れ食いタイム、長三郎丸イリュージョンが訪れた。
 撒き餌と散水にメジが着き、大きいものは3キロ以上あるやつが次々に食ってくる!
 私は何本か釣った後、超ライトラインを試すが、掛かっても全部切られたので、通常タックルでご馳走を釣ろうと躍起になる。

「40キロはあるキハダがいるぞ!」
 と、船長も叫び、明らかに左舷の沖ではでかいボイルが見える!
たまらず左舷に移り、一本釣りの後ろでフカセを試すといいメジが食うが、食う度にごついシイラロッドが激しく曲がり、一気にラインを持って行くので、手返し重視と思ったタックルでも魚に翻弄される。
一本釣りでも食うので、思わず一本釣りに変更し、2本ほど追加してからは父も一本釣りに参戦し、次々に抜き上げる。
どんどん薄闇が濃くなり始め、夕まずめに加え、ハリスも見切られにくくなっているのかもしれない。
 私は残り少なくなったイワシをすくうのに躍起になるが、明らかに15キロはあるマグロが沖で跳ねたので、私のボルテージは急上昇し、左舷からスピニングタックルで餌を投げる。
 しかし、先に3キロ級のメジが餌を食って突っ走る。これもありがたい獲物だが、あのでかいやつを見ては、理性が吹き飛びそうだ。
 ルアーを投げても届かなかったのか、食い気がなかったのか不発で、コノシロなんか食うわけもない!
 マイワシがあれば、何とかなったか?
 その間に、昼頃から姿を見せていたヨシキリザメが、何と父の一本釣りに食ってしまった! 一度頭を浮かせたが、反転していく。
 このままだと竿を持って行かれるか、引きずり込まれる恐れもあるか? とりあえず、カメラを用意する前にハリス切れした。
 次第に散水に入らなくなってきたので、こうなるとフカセが強い。
 皆が思う存分釣りまくり、今日の釣りは終わった。

 結局、魚の処理をしている氷水に沈め、先に冷やした魚は氷だけ入れていたクーラーに移し、二人でカツオ・メジ・キメジで大型クーラー二つは満タンになり、間に真っ暗になった海をひたすら港へ向かった。
 


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