4月26日

 

 外洋にそびえる礁の城、イナンバ 

 御蔵と八丈の間に位置し、1,500mの海底から一気にそそり立つ絶海の孤島、遠征アングラーの憧れの海域にして、ヒラマサ、カンパチ、シマアジ、モロコ(クエ)、そしてキハダ、ビンチョウ、カツオが群れ泳ぐ(勿論、潮の流れで大きく左右されるが)一級の釣り場だ。 


 私がその存在を知ったのは、今から10年ほど前の学生時代だった。その頃から20kgを超えるキハダの情報が目に付き「行ける機会があれば」と、思っていた。 
 4年前の2010年『つり丸』でイナンバのジギングの記事を読み、ますますその思いは強くなったが、昨年までは予約しても日程が合わず、あるいは御蔵に挑んで不発と、もどかしさが続いていた。 
 しかし、今年は大型連休に久米島の予定はなく、ある程度日程が調整できると見た私は、4月26日の土曜、イナンバ行きの忠兵衛丸を予約した。 
 その前にもイナンバ便の予定があったが、天候の都合で見送られていたため、今年最初のイナンバ便となり、冗談抜きでギャンブルそのものという状況を呈していた。 
 だが、黒潮が接近し、外房では青物好調、相模湾付近にも青物が姿を見せると聞いたため、「これはいける!」と、考えていた。 
 かくしてソルティガ4500H2台にはPE3号、4号をそれぞれ巻き替え、キャスティング用には5000HにPE5号を巻き替えた。 
 ジグも120g〜300gまで持参したが、「スレていない魚なので、近海より食わせやすい」と、見た私は沖縄本島や久米島のパヤオジギングに似ているのか? それとも? と、考えつつ、出発直前にカーペンターのグローブを購入し、仕事帰りに一睡もせず、南伊豆へ向かった。 

 往路は予想以上に好調で、3月に須崎、久寿丸にメダイを釣りに行った感覚が残っていたものの、湯河原を過ぎた辺りから、目が疲れていると判断、網代のコンビニで冷凍ブルーベリーを仕入れ、口に運びながら135号線を南下した。 
 23時前後も車が何台か走り続けるため「もしや遠征船のお客?」と、思いつつ23時45分頃に南伊豆・忠兵衛丸へ到着した。 
 駐車場でタックルを組み立てている二人組のアングラーに挨拶し、船宿で一休み、私の真上にはヒラマサの魚拓がその優美な姿を見せていた。 
 1時、船宿で仮眠していた面々も起き上がり、各自が乗船名簿に記入するが、何度か同船した女性アングラー、そして安保船長と挨拶する。 
「投げる人は、掛けたら他の人と交代する形でお願いします。 後は自由で」 
 浅沼大船長がそう告げ、我々は船着き場へ向かった。 



 今回はキャビンの多い第二十三忠兵衛丸なので、タックル以外は全て船内に仕舞い、キャビン内部はバッカン、リングスター・ドカット、その他レインウェア等が置かれ、私たちはベッドに横たわる。 
 現時点ではあまり揺れないので、思ったより眠れそうだ。 
 少なくとも、場所に着くまでは少しでも体力を温存しないとジギングにならない。 
 「着くぞー!」 
 と、安保船長の声で飛び起き、大急ぎでレインウェアをまとい、朝食とバッカンを持ってキャビンを出た。 



 目の前にイナンバの絶景が近づいてくることに感動しつつ、キャスティング、ジギングのルアーを結び、合図に備える。 
 「今日はベタ凪ぎだ。110mに反応がある」 
 200gのジグを投じ、指示ダナより10mほど沈めてからジギングする。 
 しかし、海は予想以上にトロンと凪ぎ、プランクトンの濁りも見える。そのせいかしばらくは当たらなかった。 
 島に近づくと、今度は水深40m付近だ。 
「この辺りならオオカミ(10kg級シマアジ)が来るぞ」と、大船長。 
 と、電動ジギングで探っていた女性アングラーがサバ、続いて4kg級のメダイを上げた。 
 サバがいるときは誰かしらのロッドが曲がるが、ここまで来てサバでは苦笑する他ない。重要なベイトフィッシュであることは承知だが(平塚沖へ移動してくれれば、ライトルアーのお客さんが喜ぶぞ)。 
 私もサバが来た。次は何かしらサバではない重さが伝わってきたが、メダイか? 合わせが不十分だったのか外れたが……。 
「大物はしっかり食わせるといいよ」 
 と、船長。 
 どうやらイナンバの探り方は、潮上の水深140m前後に船を着け、次第に島に近づいていくように流し、島を通過しかけた辺りで船を立て直すようだ。 
 こうなると、水深が100mを超える辺りではPE3号の方が沈みが早そうだ。持ち替えたブラーヘラクレスも実にしゃくりやすい。 
「今日はマグロがいないようだから、青物狙いでやります」 
 と、船長。 

 

 そんなこんなしている間に、神津島の賀寿丸が瀬渡しの磯釣り客を乗せ、回ってきた。このイナンバは一級の磯だと聞いているが、渡渉できるのか?! 凪いでいるため、そんな心配は不要だったらしく、7〜8人の釣り客を降ろしていく。 
 もちろん、この後はイナンバの周りでお客さんの様子を見ているわけだが。 
 次第に潮が流れ始め、潮上、潮下とも潮の当たっている場所は激しい流れがはっきり見える。 
 深い場所は140〜110、浅場でも40〜30mの範囲を探っていたが、80mを切った辺りで、ジグをスライドさせると、急にPEがふけた。魚が食ったか? そう思って空合わせするが、全く手応えがない! そのまま10m近く巻き上げるが、相変わらず何の感触もない! 
 「サワラにジグ取られた!」 
 そう叫んだ直後、巻き続けている手元に手応えが! ジグを食ったまま食い上げたのか! 
 軽く合わせを入れたかどうかの間に、フッと軽くなってしまった。こんな真似をするのはマグロ類の可能性が高い。 
 「マグロが当たったけど、乗らなかった!」 
 これは頭に来る。 
 島に近づいた時、反対側では5kg級のヒラマサが! 
 私や他のアングラーが、そんな時はキャスティングを繰り返すが、キハダはもちろん、大型ヒラマサも当たらない。ヒラマサもやや下にいるのか? 
 鳥も数羽は見えるが、固まる様子はない。(シラサギまでいたのは驚いたが) 
 その後も電動ジギングでは2枚目のメダイ、さすが慣れたアングラーは違う。 
 私はもう数尾、サバを掛けて苦笑い。(200gのジグだと、フォール中にジグの重みでサバが掛かってしまう) 
 次第に水深が浅くなっていくが、ジャーク、スライド、ジャーク、スライド、と、探っていく。島の姿がより鮮明に見えてきた。 
 ジャークを入れた後、スライド中にPEが止まった! 素早く合わせると、ズン! スプールを押さえ、追い合わせを2、3回くれる。直後、ドラグが鳴った。 
「来たっ! これはいい魚だ!」 



 磯釣り師の姿も30m右に見える中、私は舳先でフックアップを繰り返し、魚の引きに対抗する。ジャジャー、と、一気に20mほど持って行かれるが、遠くへ走らないためマグロ類ではない。 
 そうなると、ヒラマサかカンパチだ。 
 ロッドをしっかり45度に保って耐えるが、ドラグが緩すぎると判断し、少しずつ締める。それでも何度か激しく走られ、ラインかリーダーが擦れる感覚まで僅かに伝わってきたが、「今日一回の当たりでも、最善を尽くしてやり取りすれば、万一バラしても悔いはない」と判断し、時にスプールを押さえ、一瞬たりとも気を抜かずに寄せた。 
 巻ける時は下手にポンピングせず、ゴリ巻きする。 
 もしイナンバ島の瀬、ハエ根に突っ込まれたらPE3号やフロロ16号などひとたまりもない、その前に寄せるのが一番だ。 
「最後は降りてきてね」  
 と、安保船長。 
「はい、これは最低でも5kg以下って事はありませんから」 
 次第に巻き取れる用になったと見るや、私も巻き取り量を見ながら、少しずつ左舷に下がり始める。ついに魚が浮いてきた。 
「マサだ! 10kgはあるぞ!」 
 いい引きだったが、ここまで型が良いとは驚き。 

    
(忠兵衛丸 安保船長撮影)


 素早くタモに入った魚は12kgくらいか? いやー、人生2本目のヒラマサが、こんな良型とは! キハダ、ビンチョウの回遊がなかったのは残念だが、私自身はもう充分すぎる! 


                                           
 今思い出しても、よく短時間ファイトで上がったものだ。 

 その後はダイバンガツオらしき気配を追って沖へ出て、トップを投げまくっても駄目、ヒラマサは右舷のアングラーがもう一回掛けたが、これは残念ながら根ずれだ。 



 潮が暗かったせいかミズウオも上がり、私は2kg級のハチビキ(赤サバ)をスレで掛けた。 
 一度、イナンバの磯際でヒラマサらしき跳ねが30秒ほど続いたが、ジギング中だったのでキャスティングで直撃はならず……。 
 ハチビキは結構当たっていたようだが、中にはバケ赤ムツまで! 

 

 腕が筋肉痛になりかけながらもしゃくるが、最後は同船者が4kg半はありそうなハチビキを上げ、釣りを終えた。 
  



 
帰港後、検量すると私のヒラマサは12.8kg、もう1本は5.3kgで、2.7kgのカンパチも1本上がっていた。 
 賀寿丸の話では、昨日はキハダが跳ねていたそうだが、このイナンバ、一日で状況が大きく変わってしまう海域ゆえ、当たり外れが大きいのは否めないという。 
 
また、他船ではクロマグロの100kg近いものに銛打ち後、あるいは取り込み寸前でバラしたとか……。いよいよシーズン到来か?! でか過ぎて私の道具では無理だが。 
 船宿で氷を仕込み、温泉で体を流し、大船長に料理法を聞くと、ヒラマサは刺身の他塩焼きや天ぷら、ハチビキはタタキに煮付けがよいと聞き、私は忠兵衛丸を後にした。
 



 628

 先週の621日より長三朗丸もルアーキハダ船を開始し、20kg級を2本上げていた。
 ただし、昨年ほど「開幕直後から爆発」という様子はなく、船中
1本獲れれば上々だが、「今年の傾向を見るためにも、ボウズ覚悟で最善を尽くす」と、判断し、28日の土曜を予約した。

 港で船宿が開くまでの間に、昨年7月に同船したTさんと挨拶し、談笑する。
 長三朗丸の若い上乗り、コウタ君にも挨拶し、状況を聞いている間に大船長、かづみさん、ゆきさんらも来て、「今年もよろしくお願いします」と、挨拶する。
 もはや馴染みだが「義理で行っている」のではなく「釣らせるのが上手い」と、分かっているから乗るので、出船を待つ間も快適だ。 ラインシステムを組み、氷を2杯だけ買ってクーラーを積む。 
 その間に常連の
Gさんとも挨拶し、新しく買ったソウルズのPS-83L4を振ってみるが、さすが最新作、飛距離も操作性も申し分ない。(フカセなら10年前のモデルでも問題ないが、日々進化を続けているキャスティングでは、最先端のロッドが心強い)
 全員揃った時点で、船は沖へ向かった。 
 今回はユウジ船頭が休みなので、大船長、かづみさん、ゆきさん、コウタ君、玄さんと、乗組員も充実のルアー船だ。いい写真が撮れるか?!

 1時間ほど走った時点で鳥山に遭遇したが、どうも先週、LT船で見た鳥山にどことなく似ているような……。
 と、思う間もなく沈下系に食ってきたのはやっぱりサバ……。
VF-9012ERではあまりに呆気なく上がってくるため、CDOS-76MHに持ち替えて釣るが、ほんの肩慣らしだ。 
 この中にキハダが混じることはまずない(いたら、サバが食われます!)。




 
とりあえず、何尾かシメサバ用に血抜きをしてクーラーだ。胃袋にはカタクチイワシが数尾ずつ入っている。
 サバで遊んだ後は、次第に鳥の姿も増え、澄んだ黒潮の流れが目を射る。 
 船が一気に速度を上げ、ナブラへと突進する。 
 海面が沸き、鳥が突っ込む。 船がサイレンを鳴らし、鳥を散らしてキャスティングを開始する。
 しかし、食わない! フローティングで誘い出しをやろうが、沈下系を沈めようが、引っ張ろうが当たらない。最初は
15kg級が跳ねたが、次へ、次へと進んでいく度に、魚が大きくなっていくようだ。
「左で出たぞ−」
 と、船長が叫んだ瞬間に投げて誘い出しを試みるが出ない。 
 魚の活性が高ければ、着水直後に食うのだが、開幕からまだ
1週間、活き餌の乗合船も出ていない上、コマセは8月からなので、魚がスレているのではなく、活性の問題だろうか?




(長三朗丸Blogより拝借、左から3番目が製作者)

 さて、今日は天気予報で「雨」となっていたが、次第に雨粒が増えてきたため、レインウェアを着込む。初夏といえど、船で走り続けるので体が冷えるため、この時期でもレインウェアがないと風邪でもひきかねない。
 やがて、他船の姿も見え始め、庄治郎丸、庄三郎丸、邦丸、一俊丸、沖右衛門丸(通称、ドラえもん丸)なども付近の群れを狙っているが、沈むのが早い。
 船長がソナーを駆使し、3度は魚の進行方向へ船を着けてくれたが、ドンピシャの場所にルアーが落ちても食わなかった。 

 ガバガバやっている中に通しているため、本来ならいつ食ってもおかしくないだけに力が入る。
 何度となくチャンスメイクするが、一度、大型のシコイワシがスレ掛かりしたのみ。ルアーの大きさも合わせたが、スーパーボイルでも「狂食状態」にまで発展しないのか、ルアーを餌と見分けているのでは?
 狂食状態なら「大根や人参でも食う」とか「すりこぎでもいける」「手鉤や棒浮きにも食いつく」と、本職の漁師さんや船長は言うが、そんな状況ならルアー天国だ。
 今回は活きイワシをフカセで流すくらいしかなかったか?
(もっとも、イワシが多すぎて食いが悪いという場合は、フカセでも手が出ず、逆にルアーの方がテンポ良く食い気のあるナブラを叩けるが)
 結局、伊東のよしゆき丸、茅ヶ崎の沖右衛門が20kg級を獲ったものの、この日は残念ながらキハダはノーヒットで帰港した。

 ただし、カツオらしき鳥山もあったり(ミノーを一度、カツオが追ったようだ)、シイラの姿も多数見えたので「気軽に遊ぶ」には充分だが、後半のナブラでは私たちも40kgくらいまでの姿を確認し、船長には70kg級が見えていたので、今後が楽しみだ。

(6月最終日〜7月1日にかけて、新群れが来たのか爆発状態が始まっています!!!) 

 長三朗丸のBlogはこちらです。


  75 

 71日より、突如キハダがルアーで食い出した。 
 長三朗丸は船中12本という、ルアー船始まって以来の釣果を出し、長井の船も67kgを上げたり、40kg級が上がったり、6月末日にもプレジャーボートで70kg級が出たという情報が入ってきた。 

 これは2010年の釣れっぷりの再来だ。今の内に釣っておかねば後悔すること必至と見て、5日の土曜日を予約した。 
 船中12本の時に同船していた仲間に話を聞くと、カツオやキメジの群れを釣った後、でかいトップの誘い出しで食ったというため、普段使っている沈下系より、遠投の効くトップを投げるのが良さそうだ。 

 しかし、5日当日も雨! 例によってレインウェアを羽織るが、また体が冷えないか心配だ……。今回はルアー船担当の若船長、そしてマルイカ船担当(間もなく、一本釣り・フカセ船)の大船長の2隻出しだが、私たちは若船長の21号船だ。 



 こちらはNIさん、Gさん、Nさん、そして前回同船したTさんと知り合いが多いため、船内でもキハダの話が絶えない。 
 港を出てから3時間は走ったが、まだ魚の様子がない。 

 途中で一気に西へ方向転換すると、波が高い! 船がガックンガックン揺れ、一時、ミヨシから下がってキャビンに移動する。 
 こりゃ無理できないぞ……。 
 移動中、ジャンボの仕掛けを曳いている船に遭遇したが、途中で魚を掛けたのか、船を止めてやり取りしているようだ。 
 その後、初めて鳥山に遭遇したが、消防車のようなサイレンを鳴らし、嘉丸がその群れに突っ込んでいく。 
 私たちも何度かキャストを繰り返すが、魚の反応はなく、次に嘉丸が群れの先端に回り込んだため、次の群れを探す。 
 何度目かで私の投げたトップにガバッと出たが、キメジか? と思ったがシイラ……。Tさんがギャフを出してくれたが、リーダーを持って抜き上げる。80cmを超えているオスだが、シイラは食べ飽きているためリリース。 
 鳥が数羽程度飛ぶようになってきたが、キャストするチャンスは少ない。 
「船長、後ろでこれ引っ張ってもいいですか?」 
「いいよ」 



 移動中、ミノーをトローリングして通りすがりの魚を拾おうとするが、しばらくしてソルティガのドラグを鳴らしたのはまたもシイラ……。これはやや小ぶりなので、ロッドで抜き上げる。 
 その後も「鳥がチラホラ見える」という状態が続いたため、ミノーを引っ張り続けるが、再びシイラらしき当たりがあったものの乗らず……。 



 次第に鳥が固まり始め、キャストする機会も増えてきたと思った矢先にGさんが掛けた! 素早くミヨシから下がってやり取りに入っているが、なんと5分以内で上げている。魚のサイズは15kgくらいかと思ったら、ちょうど20kg 
 いやはや、一瞬のチャンスタイムだろう。 
 その後も何度となく鳥が固まり、キャストを繰り返すが、フローティングでも沈下系でも食わない。最後は大型のサバが1本混じり、苦笑しつつ血抜きして持ち帰る。 



 この時期は、水温の関係から雨より快晴の方が水温が上昇し、活性が上がるのか? 




  712 

 日曜から次第にキハダの食いが回復してきた。 
 仕事帰りにラインシステムを組み直すが、ハーフヒッチが緩まぬよう、しっかり締め込むが、専用の締め具が欲しいところだ。  台風が前日、関東を通過したが、予想以上に影響は少なかったらしく、船長に出船を確認し、今度こそ! と血が騒ぐ。 

 土曜の早朝、葉山港で上乗りのコウタ君に挨拶し、乗船手続き後にタックルを組み立てていると、Dさん、Nさんとお馴染みのメンバーも集まり、さらにWさんまで(彼はマルイカに乗るとか)! 
 葉山あぶずり港からは、我が長三朗丸に加え、例年通り、まさみ丸、そしてコマセのたいぞう丸もルアー船を出すほどの熱の入りようだ。  
 今回も2隻出しだが、やはり、Dさん、Nさん、そしてOさんや去年釣りまくったHさんなどお馴染みのメンバーは若船長の21号船。 
 仲間内でタックル談義、試投、ラインシステムや接続金具などについて話し合う間に船は港を出た。


 

 今回もかなりの距離を走ったが、次第に潮が澄み、思わず飛び込みたくなる(止さんかい)。しばらくは魚の気配が薄く、先に鯨(おそらくマッコウ鯨)の潮吹きまで目撃したが、肝心の魚はどこだ? と、皆がざわめく。 
 しかし、船が進む内に鳥の数は増えていき、カツオ用の道具を引っ張っているプレジャーボート、散水をしている長井の船にも遭遇した。 
 その頃からシイラの姿が見え始め、80cm〜メーターくらいまでと、近海としては良型が多い。単発のみならず、数尾が見えることも増えてきたので、シイラ船のお客さんなら大喜びするだろう。澄んだ潮の中を泳ぐシイラは実に優美だが、私は流れ藻に「マツダイは着いていないか?」と、ライトタックルを持ってスタンバイするが、こちらは出番なし。。 
 ただ、トビウオが前回とは違い、5cm程度の「子トビ」と呼ばれるようなサイズばかりなので、これを追っているときは難易度が高くなるのでは? と、気に掛かる。 



 その後もしばらく探索を繰り返した後、さざ波のように水面が震えるが、それは全てキハダというナブラを発見した。  
 一斉に投げるが、沈下系でも誘い出しでも食わない。 
 私や他のアングラーの投げたルアーを、シイラが追ってくるが、食うには至らないので、まだ活性が上がりきっていないようだ。 
「餌が入っていないのか?」 
「引っ掛かってもいいくらいいるけど……」 
 間もなく、キハダが餌を海面に追い上げ始めたが、極めて短時間ガバッと出たと思ったら、投げる間もあるかないかの間にまた潜っていく。 
 こうなると、沈下系より誘い出しが効くだろう。 
 しかし、ちょうど食い出すタイミングに遭遇したようだ。 
 鳥が次第に大きく固まり始め、魚も激しく海面を割る。20kg級のキハダが全身を見せて回転した。 
 こうなると船内は興奮の坩堝と化し、ナブラに船を着けてはキャスティングを繰り返す。 
 何度となく足下にイワシのコケラ(ウロコ)が無数に舞い、魚の活性・食い気が上がって来ていることを実感する。


 
 

 大船長の21号船、たいぞう丸、そして佐島の職漁船も来たが、このナブラ、イワシを撒いて船に寄せられるのか? 
 と、Nさんがシイラを掛けた。 
 メーター級のシイラは船に上げても大暴れするが、私が素早くフックを外す。 
 船の真下でボッコンボッコンやるようになってきたが、フローティングでも、沈下系でも当たりが遠いため、「下、30mくらいまで反応が出る」と聞き、艫に入ってジギングを試すが当たらない。 
 時々、PEに鳥が絡まり、船の中を件の鳥がちょこちょこ歩き回るわ、勢い余ったサメが空中回転するわ、何人かがシイラを掛けて上乗りのかづみさん、玄さんが船内を飛び回るわ、筆者も何度かライントラブルやオマツリを起こすわ、えらい騒ぎよう。 
 こんな時こそ、キャスティング時は後方注意が欠かせない。 
 たいぞう丸も魚を掛け、ミヨシで格闘中だ。 
 この日はこれまでになく活性の高いナブラで、とうとう一人が小型のメタルジグで掛けた! 
「来たー!!!」 
「しっかり合わせて!」 
 だが、合わせが弱かったのか、あえなくフックオフ……。 
 もっとも、ついにルアーに食いだしたのだから魚の活性は上がっている一方だ。これならいけるぞ! 



 次はNさんが掛けた! 素早く私たちは後ろに下がり、写真や動画を撮りに掛かる。 
 テンリュウのスパイク・ツナ&ツインパワー12000番の組み合わせで、しっかりやり取りを繰り返した結果、10分足らずで魚が浮いてきた。ルアーはフローティング系だ。 


(長三朗丸Blog)


 このキハダは23kg! おめでとうございます! 
「やった。これで帰ろう」 
「泳いで帰れ、バカモノ……」 
 動画にはこんなやり取りまで録音されていたような……。 
 魚が興奮してきたのか、ナブラに船をかなり近づけられるようになってきたが、こうなるとルアーを遠くに投げすぎたり、左右2箇所で同時に沸き、どっちに投げるか迷うほど贅沢な状況だが、もう少し食ってくれ……。 
 私の沈下系にもシイラが来たが、無事に船べりリリース。 
 沈下系に当たりが来ないため、小型のフローティング系をナブラの中でステイさせてやろうか? 
 と、思う間もなくDさんが掛けた! 私のPEがクロスしていたが、すぐさまリーダーを切って対処するも、足下に潜られてフックオフ……。 
 次のナブラでは、シイラが食った。こんな時に何をする?! 
 先ほどより強気のやり取りで一気に寄せ、フックを外してリリースする。 
 このやり取りでは、どうやら性格が変わっていたようだ……。 
「『殺してやる』とか叫んでた」 
 晩のおかずにするなら、そうなるわな。 
「『犯してやる』とも言っていたよ」 
 そんなアホな。シイラに欲情するって、どんな変態ですか……。 
 などとギャグを飛ばしながらも、しばしばサメ付きのナブラまで沸いたが、次第に時間が迫ってきたため、後ろ髪を引かれる思いで、船は場所を後にした……。


 719 

 キハダ騒動は未だに釣れ続き、次第にカツオの群れも見え、キハダも場所が近くなってきたという情報が入ってきた。 
 大型フローティング系の誘い出しよりも、沈下系が効くようになってきたというため、ソウルズのPS-83L4でも沈下系を投げまくると腹を決め、新しく仕入れた締め具でラインシステムを組んだ。

 この日もDさん、NIさん、Nさんらお馴染みのメンバーで若船長の32号船に陣取り、Gさん、Hさんらは大船長の21号船。
 沖へ出していくと、まずはパヤオ周りで跳ねたものの、餌床は見えるがヒットしてくるのはシイラ! メーター級がかなり混じるため、私も遊んでみたがノーヒット。これをフライで釣ったら面白いだろうなあ……。
 前回、Dさんがシイラを持って帰ったところ、「予想以上に旨かった」と聞いたため、良型を1本くらいは持って帰るつもりだが。


 船に上がったシイラは、ホースから海水を流し、かづみさんが頭、内臓を処理しているが、胃袋の中はやはりシコイワシ。こりゃ、使うルアーは決まりだ。

 と、次のナブラで数人のロッドが同時に曲がり、私にもシイラが食ってきたが、80cm手前なのでリリース。このサイズよりカツオの方が引く。

 何度かキハダが跳ねたのも確認したが、移動が早く、追い付いた頃にはシイラしか残っていないようだ。



 そして、メーター級がヒット→3分以内のランディングだが、この時はメーター級が30尾くらい群れていて、最大はメーター20から40はあったらしい……。

 シイラ船なら大喜びだが、この時はあくまでおかず、土産に過ぎない。

 ナブラがあちこちで沸き、どちらを攻めるか迷うこともあったが、肝心のキハダはなかなか当たらない。カツオのナブラや、5kg級のキメジの跳ねも見たが、食わせるまでが難しい。
 それでも次第に群れが止まるようになり、船長は上手に船を付て、私たちはキャスティングを繰り返す。
 何度目かのナブラで、Nさんがヒット! 最初はシイラかと思ったが、跳ねないのでそのままやり取りを続けていると、どうやらキハダのようだ。
 もう一人の同船者もキハダの当たりがあったが、追い合わせを入れた瞬間にブレーク! 私の沈下系も追ってきたのか、水飛沫が上がった。



 Nさんは艫側でやり取りを続け、浮いてきたのは30kg級のキハダ! 5分かそこらで上がったのは、ルアーが完全に口を閉じてしまうような形で掛かっていたことが大きいが、先週に続いての快挙はうらやましい!
 私も「今日こそは仕留めるぞ!」と、意気込むが、不幸はこの後に訪れた。

 探索中、海面にイワシ玉が出るほどではないが、気配が残る状況で「一応、投げてみるか」と考えたのが運の尽きだった。
 なんと、キャスティング時にベールを返し忘れ、5月に買ったばかりのソウルズPS-83L4&ソルティガ5000Hがグローブからすっぽ抜け、海へドボン!
 Dさんがとっさに沈下系を投げるが間に合わず、私の道具は数百メートルの海底へ沈んでいった……。

ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!(マジ泣きたくなる)

 マグロ類を狙っている以上、「いつかは起こること」と、腹をくくっていたが、一番使いやすいタックルを失うとは、4年前の落水以上の悪夢でしかない!
 まあ、竿とリールならお金で解決がつくため、事故を起こしたり、人さまの道具を破損するのに比べればマシだが……。

 顔がいささか引きつっていたようだが、急いでグローブを外し、シイラタックルのリーダーを、12号から20号に交換する。もしもの時は、これで2030kg級を獲る必要が出てきたな……。

 この日は曇り気味だったが、一時、小雨がパラ付いたため、レインウェアをまとうが、間もなく雨は止んだ。
 午後から魚の気配がさらに濃くなってきた。
 たいぞう丸、まさみ丸、相洋丸らも併走し、あちこちで魚が沸きまくる。

Dさん、NIさんが食わせるが飲まれて切れた。私もサメ付きのイワシ玉にルアーを打ち込み、スーッ、スッと静かに引いてくると、ズン! しかし、合わせを入れた直後にリーダーが切れた!
船のサイレンを鳴らし、海鳥を散らしながら再びサメ付きナブラに船を着け、キャスティングするとまたもや当たった。VF-9012ERのストロークを活かしてガン、ガンッと合わせた瞬間、やはりリーダー切れ!
 よく見ると、サメがあちこちで跳ね、その周辺にキハダ、そのまた周辺にシイラという恐ろしい状況だが、この間にもDさんがヒット&ブレーク、NIさんがハンドメイドの沈下系を壊され、たいぞう丸が掛けた魚がこちらの船のラインとオマツリするが、浮いてきたのはやはりサメ!
 同船者が掛けたが、サメらしく、ドラグを強引に締めてリーダーを切った。(もう一人は、サメがいるのに8,000円のハンドメイド沈下系を投げ続ける!)
 しかし、キハダもいるのは間違いないため、一時絡んだリーダーを解き、再び沈下系を結び直してサメ付きナブラにぶち込んだ。「沈下系は止めているとサメに食われやすい」
 というのが定説だが、その上、何度も打ち返すチャンスがあるため、再びスローに引いて誘うと 、予想に違わずガツン! 合わせもしっかり決まったが、フックアップ直後の魚の暴れ方が、どうもサメくさい……。
 そんなことを考える間もなく、ドラグが悲鳴を上げ、猛烈な勢いでPEが引き出されていった。このままだと400mでも全部持って行かれかねないので、徐々にドラグを締めていく。
 左舷の胴の間に降り、やり取りを続ける。ST661/0を使っているため、ライン強度よりもフックの強度を心配しなければならないが、かなりの手応えなので、両手にグローブをはめ直し、やり取りを続ける。
 下に潜ったりもするので「それマグロでしょ」
「そうだといいのですが……」などと言いながらやり取りを続ける。
 何せ、3回連続で本命がノーヒットだったうえ、このタックルで満足のいく魚と戦ったことがないため「サメだろうが、やり取りの練習になる」と、割り切って大艫でポンピングを繰り返す。
 スタンディングは限界が来たので、座り込んで脚力をも駆使してポンピングするが、ロッドを支える際に肘に回して耐えるのは、下手するとPEで二の腕の皮膚を切り裂きかねない! マジ危ないわ!
 次第に雷が近づいてきたので、船長も流石にヤバイと考えているようだが、私が魚を次第に寄せ、あと2010mと近づいてきた辺りで、次に沸いたナブラを追って船は走るの繰り返し……。(5〜6回ほど)
 かくして、ヘロヘロになりつつも魚を寄せてきたが、先ほどから「それサメだよ。サメ」と船長から聞いていたうえ、私自身も「キハダとは違うよな……」と感じていたが、姿を見るまでは、とやり取りを続けた。
「雷がコワイので、これで上がります」
 そう告げた船長がPEを取り、少し手繰るとやっぱりサメ……。(2mくらいのクロトガリザメ)船長がドラグを締め、ロッドを真っ直ぐにして引っ張るが、「切れないぞ」
 そりゃ、簡単に切れたらキハダを獲れないよ!
 何度目かで、ルアーとの結び目から切れた。



 8,000円のルアーを投げていた人も、やはりサメで、何とか海面まで寄せるが、危険すぎて引き上げられないため、リーダーカット!
 雨がまたもや降り出し、腕が壮絶なやり取りで筋肉痛全開になっていたが、帰港中も何度となくナブラを見ただけに、今日の釣りは激しすぎる!
 昨年も2人がタックルをキハダに持って行かれたと聞いていたが、ついに自分もタックル水没とは!!!

721

タックル水没後、ソルティガ5000Hをどこで買うか探し回りつつ、6500HにはPE6号を巻き替え、シイラタックル、ジギングタックルを用意した。
 今回は荒川屋のシロギス名人、Sさんも同行するが、彼はキハダよりもカツオが釣りたいという、どうなることやら?

今回も長三朗丸だが、久しぶりに大船長の21号船となるが、先にクーラーを積み込み、餌を買いに行っている間にラインシステムを組むが、その間に船が戻ってきたため、急いで道具を積み込んで出船!
 今回は常連のSAさんも同船だ。
 船の生け簀にはヒイラギも混じっていたが、大半はいいシコイワシ、フカセ、一本釣りいずれにも重宝する大きさだ。おまけにマイワシまで混じっている。

 餌は最高なので、後は魚次第だ。

しかし、最初はカツオ、キハダの動きが速く、最初はイワシ玉を固めているところにルアーを投げてもノーヒット、餌を撒いてもシイラの当たりが多く、いささか苦戦させられた。



 あちこちでナブラが見えるが、船長が餌を撒くか否かを判断し、上乗りの誠さん、コウタ君、玄さんらと共にナブラを探す。
 かなり沖まで出たため、今日こそは! と奮い立つが、魚は多いものの活性が今ひとつのようだ。
 それでも、撒いた餌を少しは取るため、フカセの私たちは大艫方面に仕掛けを流していくが、オマツリ&シイラの嵐で苦戦する。一度は鳥が掛かったまま、船に向かってきたこともある始末……。(素早くペンチでハリを外して放り出す)



今回はなかなか散水に付かないため、私もシイラは一本釣りのお客さんなど、欲しい人に持って行ってもらう。型が良い上、味も良いから土産にはなる。

しかし、本命はあくまでキハダ。
 カツオ、キメジの可能性が高い時はジギングタックルにPE3号&フロロ12号で流すが、キハダがいる時はPE6号&フロロ20号だ。(フロロ16号程度の半端な太さのハリスは出番が少なそう)

カツオなのか、水面でショボショボやっているナブラもあるため、時々フカセではなくミノーを遠投して探るが、バイトはない。「あれカツオ?」
 と、Sさんが訝しがる。
 上乗りの誠さんが右舷側に餌を撒いた瞬間、私の餌も同調させて流していく内にPEが走った! ベールを返すとガツン!



 ジジジーッ、と下に潜っていくためシイラではなさそうだが、走る距離が短いため、何とも言えない。しかし、一向に横走りや跳ねることはないため、キメジかも?

 ラインを緩めることなく、慎重にポンピングしていくと黄色の魚体が反転し、再び潜っていく。メボー(キメジ)だ。
 釣り慣れた型だが、正真正銘の今年初ものなので丁寧に寄せ、5kg級のキメジはタモに収まった。

「やっと釣れた……」
 冗談抜きで、一番手こずった年かもしれない……。
 撮影後、手早く締めてエラ、内臓を抜く。
 その後も何度か魚は撒いた餌を取ったが、私の仕掛けを流すタイミングが早すぎてキハダを食わせるには至らなかった。 結局、この後は上乗りさんの一本釣りと、SAさんのフカセでカツオが1本ずつ上がり、後はシイラという状況だったが、後日フカセでも良型のキハダやカツオ、キメジの数釣りもできるようになってきたため、可能性は充分にあるだろう。



 817 

 コマセが解禁され、キハダ、カツオとも沖アミコマセに口を使うようになってきたが、お盆前の台風で新しいキハダの群れが入り、ルアー船も好調が続いていた。 
 何とかルアーで釣りたい私は、安定して釣れていると見て、小田原の隠徳丸を予約した。 
  
 早朝、小田原の早川港へ到着し、道具を組み立てていくが、船の装備は昨年末に乗った真鶴の嘉丸同様、散水機やアウトリガーの竿まで装備され、あちこちのルアーメーカーのステッカーが貼られて、「小田原〜伊豆辺りのルアー船」らしいと納得する。 



 この船は定員8名、4名ずつ交代でミヨシに入る形だと言うが、先日は酒匂川の河口でバンバン跳ねていて、岸からも届きそうだったとか……。 
 朝靄の中、船はキワの群れを探していく。 
 最初はサワラの跳ねを見たが、これはスルーしてキハダに向かう。(お土産に欲しいが…) 



 やがて、魚探に反応が出たため誘い出しで探るが出ない。 
 沖のナブラも船が次々に集まってくる上、食う率は低いのでキワの群れを探すと言うことだが、今日はどうも跳ねが少ない……。 
 途中で小休止することとなったが、船長毎の考え方の違いを知ることは、単に常宿を離れての「武者修行」とは違う意味での勉強になる。 
 同船しているお客さんたちも、半数は常連さん揃いなのでルアーで学ぶことは多い。 
 この日は跳ねが少なく、単発ですぐ沈んでしまうという、キャスティングにはかなり苦戦させられる状況だったが、途中でカツオ、キメジが跳ねだした。 
 船長が素早く船を回し、群れに当てる。 
「やってー」 
 右舷に並んでキャストを繰り返す。 
 何度か当てる内、大艫で投げていた常連さんにヒット! 船から10m以内で水飛沫が上がったため、シイラかと思ったらキメジのようだ。 
 しかし、ある程度やり取りした後にサメに食われてPE高切れ……。 
 その後はコマセの船団を一回りし、僚船の近くにサメの姿も確認したが、その直後、カツオ、キメジ級の跳ねに遭遇。 
 これは沈まないので嘉丸とキャストを繰り返すが出ない。私はジギングに切り替えるが不発……。 
 腹をくくった私は、次の反応からエビングに切り替えて探る。キャスティングタックルを使うため、ツナロッドをギンバルに当ててビュッ、シュッと探っていくが当たらない。 
 それでも船長にしゃくり方や仕掛けの太さなども聞いておき、今後の参考になる。 
 最後は真鶴近くのブイでシイラでも釣るかと思った瞬間にキハダが跳ねた!  
 しかし、駆けつけると即沈……。 



 苦笑つつ、大物狙いはギャンブル性が高いと割り切って帰港……。 

 ちなみに、翌日は跳ねまくっていたらしい……。 



 104 

 9月に入り、キハダの調子が上向いていた。
ルアーが好調だったが、予約しても海が悪くて出られず、仲間が50kg級を釣ったものの、その後はカツオの新群れが来て、キハダは再び下火となってしまった。
 だが、カツオも3kg級が多く、かなりの数が出る上、時に6kg8kgといった大型も上がっているため「こりゃ、カツオ入れ食い間違いなしか?」と見たが、私が予約した前日は不調!
 しかし、明日は大丈夫だろうと楽観視しつつ、Dさんに情報を聞き、カツオ用の仕掛けを中心に準備した。(人数がある程度いるため、フライは置いていく)

 長三朗丸で大船長、上乗りのかづみさん、下さん、ゆきさん、コウタ君、玄船長らと挨拶し、私とNさんは一本釣り船、Dさん、Gさんは若船長のコマセ船だ。
 今日は餌を買う定置網が休みということもあり、船宿で確保していた餌を積んでいくが、この時にこぼれた餌を食いに来る魚を狙うもなかなか食わない。最後に食ってきたのはアカエイ! 引きでエイと判明したが、ハリスを切って放流する。
 船宿の餌にはマイワシもかなり混じっていたため、マグロもいけるか?

 しかし、この日は昨日同様に厳しかった。
 餌を撒いても後ろでは取るが、マイワシには食わず、カツオの餌として使うシコイワシは「フカセで使うには、ギリギリ小さすぎる」という状態のため、沸いてもそこまで届かず、ならばとジギングしても食わない。



 ナブラはあちこちにあるが、艫のお客さんの竿をたまに曲げるのはシイラ……



 途中からキハダを狙いに行くが、キハダも狙われ続けてスレているのか、船の後ろへ逃げてしまい、餌を撒いても取らない。
 何度かキャスティングを試すが、沈下系で食うほどまとまらない感じだった。
 ある程度キハダを追っても駄目だと見るや、またカツオ狙いに戻し、葉山の僚船と群れを追うが、魚がなかなか餌を取らなくなってきた。
 ブチ切れた私は、エビングまで試すが、こちらも不発……

 かくして、一本釣り船は船中ゼロ! (残った餌は希望者のお土産となった)


 ブチ切れた私は、エビングまで試すがこちらも不発コマセ船も苦戦していたが、数人はカツオやチャッパを上げていた。



 台風が近いため、福栄丸や正一丸もあぶずり港へ避難していたが、この後も魚の調子が回復することを願うばかりだ。
 しかし、今年は絶不調! どうなっているんだ?!


 1011

 9月下旬〜10月上旬、急にクロマグロが食いだした。

 大半は20kg前後のメジ〜ようやくマグロ級と呼べるようなサイズだったが、日によっては30
50kg級が報告され、さらには船中2本〜4本と数が出ているため「行くなら今だ」と判断し、Sさんと共に11日の土曜を予約した。12日に休んだら13日は葉山の長三朗丸へ向かう算段だ。

 その後もほぼ連日当たり続け、シイラの他にヒラマサも混じったが、新たに発生した台風19
号の進路が危ぶまれる中、連日大物バラシという情報まで入り、「20kg前後なら1本は獲れる」と判断し、前日19:00に出船確認すると、「波が高いので、下田港から出ます」ということだった。
 かくして22:30、私とSさんで合流するや、一路、下田へ向かった。

 台風が接近しているせいか、普段よりもかなり
135号線が空いていた。そのため、1:30には下田へ着き、船が来るまでの間に道具を組み立てる。下田港で夜釣りをしていた人はカサゴをバケツに入れていた。
 2:30を過ぎた頃、忠兵衛丸が岸壁へ船を着ける。今回は
1隻が仕立て、もう1隻が乗合だ。私たち乗合船は大船長、浅沼幹雄船長で、仕立ては清人船長だ。
 席割り後、3:00に出船し、餌のサバを取るまで仮眠だが、これまでの河津沖ではなく、釣り場近くの大室出しまで向かうようだ。船の中で仮眠するが、ややうねりが強いため、ウトウトする程度で熟睡は難しい。(起きてからも、やや船酔い気味だったような……




 5:30頃に大室出しへ着くと、目の前にぽっかりと利島が浮かび上がるかのように見え、3
月にメダイを釣りに来た場所が目と鼻の先。ここならサバが獲れる訳だ。
 全員が仕掛けを出すとオマツリするため、
2人で1人が竿を出し、もう1人が魚を外す役回りだが、今回はSさんに竿を出してもらう。私は指サックとハリ外しを用意した。
「はい、入れてみて」
 すかさずフラッシャーサビキを投じるが、やや当たりが遠い。
 と、思ったら80mダチで食った! 上がって来たサバはやや小ぶりで、
30cmあるかどうかという大きさだが、メジクラスでも食い込ませるにはこの方が良い。
 今回はサバの反応がなかなかまとまらず、上げて移動することも何度かあったが、鳥も見えるため、ヒラマサにでも追われているのか?
 ムツなどの外道は混じらないが、これまでで一番小ぶり(つまり、食い込みは良い)ため、個人的には使い勝手が良さそうだ。ダブル、トリプルで付いてくるため、素早くハリを外しては船の生け簀へ移す。
 一通り釣ったところで、マグロの場所へ向かう。この間にかなり休めたため、体調も一気に回復してきた。
「着いたよ」
 と、Sさんに起こされるまで爆睡!

 

   

「はい、一番目から入れてください」

 投入は私から順にサバを入れていくが、トップガイドからラインシステムを外に出しておき、ハリを掛けたサバを遠投してなるべく船から離しつつ潜らせるのがコツだ。
 船長が船を後退させ、ミヨシ側へと各自のサバが向かっていく。私以外はミヤマエやビーストマスター9000
番など大型電動揃いだが、手に負える範囲ならスタンディングが私の流儀だ。
 (電気ショッカーも積んでいるため、いざとなったら感電させるか?!)
 第一投は期待が弾むが、この流しでは当たらなかった。



 他にも龍正丸、惠丸、妙法丸、はるひら丸、寛栄丸などが来ているが、まだどの船も当たっていないというため、ミヨシからミノーを投げて探る。
 ちなみに、先日は「他船でサバに
7kgの真鯛が来て、本船でもタイラバをやったお客さんが5kgの真鯛を釣った」なんて話もあるので、合間の釣りとて侮れまい。
 しかし、何度か流す内にサバが追われるような暴れ方をすることも数度あり、次第に緊張が走る。


       

 と、艫から2番目の人が掛けた! 最初は当たりに気付かなかったようだが、確かに竿が曲がっている。
 時折上乗りさんが竿を立て、重さを確認しながら寄せていくが、20kg
級か?
 本日最初の当たりということで胸が弾むが、寄せていく内に、少しスプールを強く押さえたのか、あえなくハリス切れ……

 上乗りさんの話だと、先日は手巻きのリールで挑戦したお客さんに推定70kg
級がヒットし、1時間ほどかけて水面下まで寄せたが、やはりスプールを無理に押さえた瞬間、ハリス切れだとか……
 そんな話を聞いていると、「掛けたら絶対に止めず、いくらでも走らせるに限る」と、判断。クロはキハダよりも長距離を走ることもあるが、持久力もあるため、油断大敵だ。
 しかし、先日までの食いっぷりは落ちついてきたのか、潮の動きが不十分なのか、当たりが連発する状況ではないため、過度の集中も考えものだ。
 その合間にもミノーを投げたが「活きたサバに反応しないのに、キャスティングが効くか?」と考え、ほどほどで休む。
 前回は撒いたサバに魚が着いて跳ねまくっていたこともあるそうだが……

 それでも、一度くらいはチャンスがあるはずだ。その時に
……
 一流しは1520分前後だが、その度に活きの良いサバを選んで流す。ドラグはサバが激しく追われたときに僅かにドラグが滑るように設定した。
 ジジジー、ジジー
 と、PEが左側のミヨシへ一気に引き出されていった。

「来た!」
 待望の当たりだ。一呼吸置き、レバードラグを徐々に締めてもお構いなしに竿が曲がっていき、ドラグが滑る。
 スタンディング用のハーネスをセットし、軽く合わせを入れるがドラグがズルズル滑る。一気にPE
ラインが引き出され、何度かポンピングするが、一度、手前に向いたらしく、追い合わせを入れる間もなく、フッと軽くなってしまった!
「あー、外れた!」
「早すぎたな」
 当たってから合わせまで、「重みが乗ったから、もう大丈夫」と早合点した上、最初の合わせが弱かったため、ハリの返しまで刺さらなかったのだろう。
 後悔しつつ出たラインを回収する。

「ハリは付いているか?」と、大船長。

「マグロでした。ハリは取られていません」

 ハリスにはほんの僅かな傷があったが、あの重さと走り方はマグロだ。沖サワラならハリスが一発で切られただろう。
 この時間は10:30頃だっただろうか。
 その後も何度となくサバを流していくが、バラシが悔やまれる。これが最初で最後の当たりだったら……

 何しろ、いくら台風前、
3連休の初日にしてラストチャンスとはいえ、9隻が出ている上、数日前よりは当たりの数は減っているため、毎回、活きの良いサバを投げ、弱ったサバも撒き餌になるかと考えてボンボン放り込むが、果たしてどうなることやら……
 その後もハリを結び直して続けるが、時刻は
11:0011:3012:00と容赦なく進行していった。
「鳥の下にカツオがいるよ」と、上乗りさんが言うが、私の道具ではそこまで届かない。シイラ用タックルがあればよかったか?
 そんな事を考えている内に、再びリールが悲鳴を上げた。ドラグが鳴り続け、PE
が持って行かれる。
 ギイイイー、ジー。
 今度はハーネスなど一瞥もせず、徐々にレバードラグを締めるが、しっかり食い込んだのか竿が曲がり、魚の重みを感じさせつつ、さらにPE
が走る。
「まだ合わせるな、止まるまで食い込ませろ!」

 私も先ほどのバラシで懲りているため、そのまま走らせる。
 10秒ほどで、魚の走りが止まった。

 ドラグをストライクポジション近くまで上げ、スプールを親指で押さえてフックアップ。カットゴリラ6/0
を使っているため、返しまでぶち抜くべく二度、三度と大合わせを入れた。
 キーパーから竿を外し、ズルズルとドラグが滑るが、合わせが効いたことを実感する。
 んっ? 私のPESさんのPEが? 彼の竿も曲がり、ダブルヒットか?

 しかし、Sさんが掛けた相手は稲取の定栄丸! 

 その間に、私は上乗りさんの指示で艫へと向かって移動した。やり取り中の写真も欲しいが、その隙にバレてはたまらないので、やり取りに専念する。
 最初は「サメってことはないよな
……」と、思ったがこの引きはマグロだ! あまり遠くへ走らないし、やたら重いわけでもないので20kg級か? 20kg以上あればいいが……
 大艫の人の竿を動かしてもらい、やや疲れたら左手で船べりを押さえ、ポンピングする。
「空いたキーパーに掛けて」と、大船長。

 まだウインチファイトに移らなくても体力は大丈夫だが、慎重なやり取りが必要と判断し、ウインチファイトに切り替える。
 ドラグは5kg程度と緩めに設定し、ガンガン巻いていくが、次第に魚は下へ潜り始めた。こうなるとハイギアでは巻けないため、ローギアに切り替える。
「あと何mくらい?」
20mくらいだと思います」
 しかし、PE50mほど少なく見積もっていたらしく、最後の
1色かと思ったら次の色が……
 なかなか寄らないため、大船長が軍手で
PEを手繰る。流石大物遠征船のベテラン船長だ。
「軍手はPEだと滑るな。ルアーの兄イ達が使うような手袋がいい」

 そう言いながらも、ジワジワと
PEを巻き取っていく。手繰る場合は魚の動きを直接感じるため、反転したときは走らせ、手前を向いたときにどんどん寄せるという感覚だ。これは私の竿では感知できないレベルのため、必然的にドラグを緩めにしてやるしかない。
 この状態まで来たら、ハーネスがないとロッドを支えきれないだろう。
 だが、どうも無理は出来ないように感じるため、今はウインチファイトが無難だ。
 至高の瞬間を味わいつつ、ついにハリスが巻き込まれた。水面下を輝く魚が旋回しながら寄せられてくる。
「本物だ。30kgくらいあるぞ!」
 しかし、どうも掛かり所がおかしい。

「尾に掛かっているから気をつけて」

何てこった! 無理したら一発でバレる!

 慎重に寄せていくが、魚は何度か反転し、その度にハリスが引き出されるが、PE
まで出ることはなかった。
 上乗りさんが銛を構え、水面下に寄せた瞬間、銛が入った! あっと言う間に手鉤が打たれ、獲物は船に引き上げられた。30kg
前後はある!




「やった! 3年ぶりのクロマグロだ!」

「おめでとう!」
 大船長と握手。
 今年はキハダでこれまでにない苦戦を強いられたが、クロマグロを獲れれば、その苦労などは過去のものだ。
「ハリが横にスレ掛かりしていたよ」と、上乗りさん。

 頭の左側にハリスが食い込んだのか、顔が少し変形(クロマグロはキハダより骨が軟らかいためか、長時間のやり取りで顔にハリス跡が残る)しているため、最初は口に掛かったが、何らかの弾みで外れ、今度は尻ビレから側線の間にスレ掛かりしたのだろう。
 この時ネムリバリを使っていたら、取り逃がしていたはずだ。
 そう考えながらも、血まみれになった足下を洗い流し、写真を撮ってもらう。魚が重くてなかなか持ち上がらないが、久しぶりなので腕力が落ちたのか?



 撮影が終わるや、上乗りさんが素早く魚の内臓とエラを抜く。
「サメが来るといけないから、ここでは捨てないで」

帰港後に内臓込みで検量する予定だ。

 魚が食ったのが12:30。やり取り時間は15分ほどだが、最後の15分はSさんも再び流すも、さすがに続いての当たりはなかった。


 

 帰港中、上乗りさんはカツオの曳き縄を流していたが、当たりがあったか否かは寝ていたので不明。
 


(忠兵衛丸 撮影)

 なお、仕立て船は15kgほどの沖サワラ1本で、他船も15kg19kgといったメジクラスの釣果、私の獲物は内臓、エラで
3.5kgもあり、船長推定で37kg!(後日、39.5kgと判明)本日の最大だった。
 クーラーの長さギリギリで尾を切り、氷詰めにするが、クーラーの蓋が閉まりきらないので、気をつけて運転だ。
 支払いを済ませるや、船は手石へと戻っていった。


 以下、船宿情報転載。

 今日のマグロの釣果です。
 マグロ37Kg1本ゲットしました。
 その他に、オキサワラ15Kg1本ゲットですよ
 地合いで当たりがありますので期待できそうですよ

 
 http://www.m-izu-chubei.com/report/database.cgi?cmd=dp&num=1215&dp=



 1019日

 
(13日は台風で出船中止)

 今回もカツオを釣りたいと長井の長助丸を仕立てたが、生憎と潮が濁り、カツオは難しい状況だった
 ただ、コマセのキハダは順調に当たっているため、釣りになることは確実であり、お土産にはパヤオのショゴを狙おうかと考えていた。
 さらには「朝方は場所が近ければ、キャスティングでも可能性がある」と聞き、各自でキャスティングとコマセ、さらにショゴ用のライトタックルを準備して長井港へ向かった。
 今回のメンバー、柏木氏とSN氏、O氏、そして馴染みのNさん、Tさんでの顔合わせを済ませるや、ショゴ用にイワシを積んでいる船長が戻り次第、乗船の準備を終えると、何と足元にカマスの群れが!
 ライトタックルで投げまくるが、仲間のルアーには何度か追ってきたものの、私には当たらなかった。
 と、そこで船長が来たため、挨拶するなり荷物を積んでいく。朝一はキャスティングとチャンスがあれば一本釣りだ。



 一気に沖へ向かうと、次第に鳥が見え始めて30分そこらで鳥山にぶつかった。
 前へと一気に回り込む。「投げて!」
 一斉に6本のルアーが飛び、2人のロッドが曲がったが、残念ながら小型シイラ
 シイラが相当多いらしく、回収中のルアーに果敢にアタックしてくる。
 私もシイラ
 小さいため、やり取りに時間を取られる恐れはないが、鳥も相当多いため、PEが絡まらないか気が気でない。間もなく、ルアーを回収して船を立て直す。
 1人のロッドの曲がり具合など、「これはキハダか?」と、緊張が走ったが……



 鳥は依然として乱舞し、海面へ突っ込んでいく。いつの間にか長井の他船も次々とこの海域へ終結しつつあった。
 数隻がイワシ玉を囲んでキャスティングを繰り返す中、長助丸はナブラの進行方向を読み、その先へと回り込む。
「投げてー!」
 左舷側へ着けるため、舳へ3人、胴の間に3人と並んでルアーを打ち込む。ラインクロスや鳥と格闘しながらのナブラ打ちだが、さらにシイラの活性が高く、沈下系のフォール中もコツコツ当たり(キハダなら一気に持って行く)、回収中に向こう合わせで食う始末。
 シングル2本をチラシで出していたSN氏など、シイラのダブル!
 最初、2回目のキャストまではやや遠いかと感じることはあったが、ナブラは左舷から右舷へ通り過ぎていくように船長が船を立ててくれたため、臨機応変に胴の間、ミヨシと移動してキャストを繰り返す。
「親父船は掛けたぞ」
 と、船長。
 この固まり具合なら絶対にヒットすると確信していたが、何分、鳥が多い。真ん中にぶち込んだらあっと言う間にPEに鳥が絡まり、えらい事になるためイワシ玉のキワへ打ち込むのが精一杯だが、キハダはシイラの下にいるらしく、時折水面でガバッと出るも、後が続かない。
 こりゃ、キャスティングタックルをもう1本持ってきた方が良かったか? トラブったらその時点で終了だ! 
「下にいるから、沈めないと駄目だ」 
 そう言っていたNさんのツインパワーがギャギャギャー!
「来たっ!」
 急いで各自、ルアーを回収する。
 魚は一気に潜るが、この時期はアベレージが30kg以上、しかも相模湾内でイワシを飽食しているため、6月下旬、シーズン初期の20kg級とは全く別ものだ。
 どんどんPEが引き出されていくが、ここで止めても止まる相手ではない。しかし、Nさんはドラグを締め、さらにスプールを押さえていき……
 バチッ

 呆気なくリーダー切れ……。(そりゃ、ファーストランを無理に止めたら切れる)
 しかし、相変わらず鳥が固め続けている。この時期のイワシ玉は初期と違い、一度沸いたら10分や15分、場合によってはそれ以上出続けることもあるので、誰かが掛けても上手く操船できれば2人、3人と食わせることさえ可能だ。(ただし、魚が大きいときは別)




 船を立て直し、別のイワシ玉に着けると今度は胴の間、カイオケ前に陣取るTさんが掛けた!  PEが船下へ入っていくため、SN氏を経由して舳へ入るが、その瞬間、舳先にぶら下がった浮き玉にPEが絡まった! その直後にロッドティップがトップガイド真下からポキン! 
 しかし、上手くPEを解き、ファイトを続ける。
 魚の走りは力強く、150200mPE6号が引き出されていった。しかし、ここで無理にドラグを締めたらその瞬間に切られるのを見ているため、ほんの僅かにドラグを1目盛ずつ締める程度で留める。
 次第に魚の走る勢いが落ち始め、250m程度で止まった。
 止まったところで寄せていくと、これは意外と容易く巻き取れる場合が多いため、この機会に回収し、次の走りに備える。
「これはでかいよ!」
40、いや、50kgあるかも……
 などと言いつつ、やり取りを続ける。

          

 間もなく、次の走りで再びPEが一気に引き出され、Tさんも必死でロッドを支える。やり取りの途中でふと軽くなってきて、親父船の魚も「あと少しでサメに食われた」なんて聞いていたため、「もしやサメに取られたか?」と、青ざめるが、その後もファイトを続ける内、キハダと確信する。

      

 ついに水面下を旋回し始めたのは正真正銘のキハダ、40kgはないが35kg前後か? 数回、魚を回したところで船長がギャフを打ち、船に入った。
「やったあ!」
「おめでとう!」 
 彼にとっても自己記録更新。ロッドを折られたからには、その魚を獲らねば大損だ。
「内臓抜けるか?」
 折角だから、自分で処理するのも楽しみの一つだ。



 船長の指示で、写真を撮るなりTさんは獲物の胸鰭の根本にナイフを入れて締め、肛門から5cmほど上まで裂いて腸を切り離し、そして鰓蓋からエラと内臓類を引き出した。
 血を洗い流すと、船の魚槽に氷漬けだ。(目方は34kg
 もう1本いけるか? しかし、この騒ぎの間に魚は潜ってしまったため、キャスティングを切り上げ、パヤオへ向かった。
 パヤオを叩いている船などいるはずもないので、すかさずジグを沈めてジギングするが、誰のジグにも当たらず、船をパヤオの潮上へ着けてもらってイワシを撒いても出ない。
「反応はあるが……
 と、いうことだが、イワシのフカセでも当たらないため、これは手が出ないと判断し、「カツオとキハダ、どちらにするか」船長と相談する。
 まず、カツオは場所が遠いため「1時間半くらいしかやれない」という上、他船の状況も「型を見た程度」と、いうこともあり(上には出てこないため、イワシも効果薄?)、それなら近場で反応が出ているキハダで最後まで通そうと決定した。
 キャスティングタックル、ライトタックルをロッドホルダーに戻し、各自でコマセの仕掛けを準備する。船長はコマセのオキアミを割っていった。(他船でキハダも当たっているとか)
 ほどなくしてキハダの場所に着き、指示ダナの50mでコマセを振っていくと……
 まずは柏木氏にヒット! 久米島でも使ったキャタリナLDが悲鳴を上げるが、しばらくやり取りしたところでタマンスペシャルが伸びた! 
 朝方の魚の大きさから、このハリでも危ないと見てジャイアンとキハダマグロに交換する。

   

 次はTさんが掛けた! ルアーに続いてコマセでも掛けるなんて! しかし、これは途中でバレた……。ハリスに傷はないため、掛かりが浅かったのだろう。
 時間があまりないため、コマセをガンガン撒くが、その後も私には当たらず、またも柏木氏に来た! しかし、これはハリ外れ……
 指示ダナよりハリス分だけ沈めてコマセを振るが、私には食わない。船長に「エビングではどうでしょう?」と聞いたが、コマセよりも確率が下がると聞き、コマセで通す。



 またまた柏木氏のリールが鳴った。慎重にやり取りしながら寄せていくが、久米島やバラムツの経験もあるだけにファイトは慣れたもの。その様子にNさんも関心。
 しっかり掛かっているため、バレる恐れはないがラインキャパは300m! コマセならもう100mは欲しいところだが、ジギング用のベイトタックルを使っているため、食い込みはともかく、やり取りは楽そうだ。

 

 SN氏と交代しても、彼も外房青物やヒラスズキに慣れているためお手の物。そしてKさんに戻ってじわじわ寄せていき、「これで2本目いける」と、確信したが、あと10mで20号ハリスが切れた……

 帰港後、Tさんの釣ったキハダの半身を頂き、私が切り分けて皆で分配……





  1025日
 

 先日、キハダの跳ねっぷりを見て「何とか1本釣りたい」と、思ったが、今年はどうも調子が出ないため逡巡し、再度、好調が続いているクロマグロ狙いに決めた。
 今度は1人で出るため気楽だが、忠兵衛丸に予約を入れた後、タックルもキャスティング用は1本に絞る。それでもクロマグロ用、餌(サバ)取り用、キャスティング、ジギングと4セットも持って行く事になったが……

 前日(この日は1人で20kg前後を3本!)19:30、出船確認するや、帰宅後に刹那的な仮眠を取り、22:30に出発した。途中の道を用心しながら走り「早く着いたら、少しでも船宿で寝るか」と、考えたが、2:00前に忠兵衛丸に着くと、今回はかなりお客さんがいて、乗船まで休めそうにない!
 今回は舳会の代表、田原さんも来ていた。
 船割りは大船長が乗合、清人船長が仕立て担当で、私は幸運にも舳2番目を確保。(艫なら、船を立て直す度にミノーを引っ張るが)速やかに港へ向かう。
 出船確認の際「キーパーを貸してください」と、頼んでいたので、最強ラークを船べりに取り付け、餌取り用のタックルをセットする。餌取りの場所は依然として大室出しなので、少しは眠れるはずだ。
 船のベッドで体を横たえ、長距離運転の疲れをほぐしていく内に、いつしか意識が薄れ……
「着くぞー、準備して」
 と、上乗りさん。
 飛び起きてレインウェアをまとい、長靴(流石にサンダルはもう寒い)を履いてまだ薄暗い釣り座へ向かう。



 急いで電動リールから
PEを引き出し、ガイドに通していく。他のお客さんは水中ライトまで用意して準備万端だ。私もようやく、フラッシャーサビキに150号のオモリを取り付ける。
「はい、やって」
 最初の流しは反応が今ひとつで、なかなか当たらなかったが、底まで沈めると期待通りムツが来た! いいおかずになるぞ。(即座に氷詰め)
 しかし、その後は電動で誘おうが、落とし込もうがしばらくサバが当たらず、青ざめる。ようやく食ってきたサバは型がよいので、20kg前後には大きすぎないか?!
 その心配はあっと言う間に杞憂に変わった。前回ほど移動が早いわけではないが、次の流れで船長は良い反応を捉え、あっと言う間に左右の竿が曲がる。
「当たらない人は、40mくらいで待っていて」
 間もなく、穂先がググググン  いい感じで曲がっていく。最初は下のハリに1、2尾付いている程度だったが、20mから60mまで満遍なく当たり始め、当たったところでオマツ防止とばかりゆっくり手巻きで巻いていくと、その間に次々に食い付く。今回は上乗りさんが魚を外してくれたので、文字通り「大名釣り」状態だ。(これなら初心者でも難なくこなせるが、プロの仕掛けのさばき方、サバの扱い方など勉強になる)
 ズラズラ付いてくるようになったサバは、先ほどよりやや小ぶりで30cmを切るくらいだから、20kg級やメジでも問題ない。たまに真っ赤な魚体が見え「オアカ(オアカムロ)か?」と、思ったがハリを飲んでいるだけ(それにしても、ムツ針を飲み込むとは……)。流石、大船長だ。付け餌に最適のサバをガンガン確保できるメリットは大きい。
 一度、ある程度サバが付いた所で巻き上げに入ると、何者かがサバを食った。ドラグが滑り、リールからPE6号が引き出されていくが、6時を過ぎ、時間がないため容赦なくドラグを締めて仕掛けを切る。
 ワラサやブリかと思ったが、「いるとしたらマグロかサメ」ということなので、引きからサメの可能性が高いし、この時間帯にお土産で余計な時間は使えない。
 2組目の仕掛けに替えた流しもサバの食いは好調で、7本バリに6点掛けが最低2回はあり、上乗りさんの手際の良さに助けられ、私もフラッシャーサビキに食わせるコツが少しずつ分かって来たように錯覚しそうだ。上乗りさんはその合間にも船内を走り回り、各自が釣ったサバを足下の青タルから船の生け簀(カメ)にどんどん移していく。
 中には先日、相模湾で嫌と言うほど見た小型シイラまで混じり「100kg級の餌になるか」などと言われながら生け簀へ放り込まれる。
「もう充分か?」
「ほぼ満タンだけど、もう一流し」
 かくして最後はサビキのバケが半数以上なくなるまで釣りまくり、「餌のサバ取りは、最低でも仕掛け2組はいるな」と、実感しながら船はクロマグロの場所へ走った。
いつの間にか朝日が右から昇り、青い空が広がっていく。クロマグロの遊漁時間は協定で7時から13時と決まっているため、朝一の機会をものにしたい。
少し休み、マグロの仕掛けを準備する。
 他の遊漁船も数多く姿を見せているが、あれだけの釣れ具合、そして週末なら当然だよなあ……
「朝一番が勝負だから、この時に釣らないと」
 と、大船長。
 今回のお客さんはシマノ9000番など中型電動、スタンディング用のタリカ、ミヤマエ、ソルティガ6500、そして田原さんはダイワ750番、彼の仲間はマリンパワーとまちまちだが、スピニングタックルをキーパーに取り付けるのは、私には難しそうだ……
 これだけ人と船が多いと、今回は釣れるか? と、戦意喪失しそうだが、次第に体力が回復してきたこともあり「前回も獲ったから、今回も絶対食わせるぞ」と、密かに闘志を燃やす。
 上乗りさんが各自の青タルにサバを3尾程度入れていく。
 船長が慎重に旋回し、船を着けた。
「はい、前から入れてください」
 私も活きの良いサバを選び、2番目にハリスごと遠投し、どんどん送り込む。いい具合でPE8号を引き出していく。
「船がバックに入り難いので、どんどんリールから糸を出してやって」と、船長は続ける。弱ったサバは、たとえ死んでも撒き餌になるため、仕掛けがまだ流れている間に放り込む。
船が付け餌以外にもサバを常に撒けば「この船からは、サバが降ってくる」と、マグロに学習させることができるかも知れない。
 だが、この流しでは当たらなかった。
「下を通っているけどなあ……」と、船長も悩む。
 上乗りさんには「昨日は10時頃に当たった」と、聞いているが油断は出来ない。
 2度目の流しは他船のジグと仕掛けが絡まり、てんやわんや。(7人でサバを流すため、回収時に多少ラインをまたぐのはやむを得まい)
 そして3度目、80mほどPEを送り出したところでサバが暴れ、「もしや、追われているか?」と、わずかにドラグを調整し、サバが本気で逃げたときだけドラグが滑るよう設定した直後、プリセットドラグがギイイイー!
「食った!」
 慌てず、10mほど走ったところで500gほどテンションを掛けるが、さらに勢いを増してPEが引き出されていく、そこで1kg前後までテンションを増した。魚の口にハリが入ったことは間違いないが、止まるまで待ってから合わせた方が間違いはない。(今、思い返すと佐藤偉知朗氏のクロマグロキャスティングでも「魚が止まってから合わせる」という点は同じだ。クロマグロ特有の合わせ方かも知れない)
 もう2030mほど走り、魚は一度、止まった。
「おしっ、来たっ!」
 落ちついてドラグをストライクポジション近くまで上げ、さらにスプールを押さえてフックアップ。ルアーほど躍起になって合わせることはないが、しっかり重みを感じるまで2度、3度と合わせた。
 一気にドラグが滑り、ビューッとPE8号が引き出されていくが、2週間前にも同じ引きを味わったばかりなので、「三度目の流しで食ってくるとは!」と、幸先の良い引きを楽しみつつ、上乗りさん経由で艫へと向かう。
 右舷、大艫で全員の注目を浴びつつスタンディングファイト。前回ほど大きくはないと思うが、しっかり掛かっている感触が伝わってくるため、巻ける時はガンガン巻き取った。なにせ、学生時代から慣れ親しみ、9年間使っている道具なので、安心してやり取りできるが、まだ疲れが残っていた私は、残り50mほどで座り込み、最後の30mはキーパーに掛けてのウインチファイトとなったが、巻き取り辛いと見るや、即座にローギアに切り替えてじわじわ巻き上げる。前回ほど膠着状態に時間を取られることなく、20kg級が旋回しながら銀鱗を見せる。




 何度か回した後、上乗りさんの銛がマグロの頭へ打ち込まれた。素早くギャフが掛かり、8時を回った直後、1本目をキャッチ! こんなに早く上がるとは!(目方は22kg
「おめでとう!」
「やったねえ」
 前回、今回とクロマグロ連覇とは嬉しい限りだ。時間があるからまだまだいけるぞ!
 上乗りさんに写真を撮ってもらい、カンヌキを貫通したハリは、後日の解体時にようやく外れるほどしっかり掛かっていたので、即座にハリスを切って結び直す。マグロは上乗りさんに血抜き、エラと内臓を取り除いてもらうので正に大名釣りだ。(処理の技術が鈍らないよう、次回釣れたら自分でやろう……



 次の流しではソルティガ6500番にスミスのジギングロッドで流していたお兄さんが掛けた! これは遠くへ走らないので青物だが、ヒラマサかカンパチだ。(断じてサメではない)



 5分程度のやり取りで上がったのは6kg級の本カンパチ! これは銭州の泳がせ師も納得できるサイズだ。クロの外道でこんなのが混じったら嬉しいが、ぜひ本命を!(他船もクロを上げていた瞬間を目撃)
 さらに、舳先では2m半はあるアオザメが全身を見せて何度も跳ねる。実に見事な眺めだが、あれだけ果敢に跳ねるならゲームフィッシュとしての価値があるわけだ。(シイラよりも面白そう)
 と、今度は私の左隣(1番前)の人が掛けた! どんどんPEが出て行くが、しばらくやり取りした後にハリス切れ……。ドラグを締めすぎたか、ナイロンを使っていたのでしょうか?
 カンパチを釣ったお兄さんに再度当たったが、これは食い込まなかった模様。



 10時半頃、田原さんの竿が曲がったがこちらも青物のよう、それでも先ほどのカンパチより大きい?



 余裕のやり取りで姿を見せたのは
8kgのヒラマサ、一度はギャフを逃れたかのように見えたが、手練れの上乗りさんには敵うはずもない。
 私は1本目を獲った直後「次の当たりが来たら、ハーネスがないと持たない」と、AFTCOのハーネスをキャビンから取り出したが、「次の当たり」を出すべく、置き竿から少しばかり策を替え、投入直後に弱ったサバを撒き餌に放り込むだけでは足らず、死んだサバがある程度出たため、10m〜20m毎に1尾、また1尾と放り込んでいった。
 一通り流し込んだ直後、サバが暴れ出し、再びギイイイー! 
 落ちついてプリセットドラグを元に戻し、徐々にドラグを締め、魚が止まったところで聞き合わせの要領で掛けた! 今度はPEが船下へ入り気味のため、ドラグをやや緩めつつ艫へ移動する。
 ハーネスに掛けてスタンディングを開始するが、先ほどのような走りをその後は見せない。
「あまり走らないので、ヒラマサかカンパチかも……
 と、思った直後にビュウウウー! 一気に突っ走った! こりゃマグロだ!

 

 ハーネスがあるとこんなに楽なのか、と、改めてその威力を実感する。最初からハーネスを出しておけば良かった……。(慌てて掛けなければ問題ない)
 徐々にドラグテンションをフルドラグ近くまで上げていくが、あくまで余裕を残してやり取りする。無理してハリス切れをする訳にはいかない。
 今度の魚は呆気なくハリスまで巻き込み、いよいよ最後の詰めに入る。一瞬、青黒い背を見て「サメか?」と、思ったが、横を向いた魚影はまぎれもないクロマグロ! ぞっとするほど美しい一瞬、魚は反転した。
「マグロだ。マグロ!」



 上乗りさんが銛を構え、頭に打ち込んだが、その直後に銛綱が一気に持って行かれ、ドラグまで滑る。私が銛の柄を一時持ち、上乗りさんが銛綱を手繰り、大船長がギャフを掛けた。今度は25kg
 上乗りさんに内臓の処理をしてもらうと、今度はハリが飲まれていた。胃袋に掛かって弱ったため、早く上がったのだろうが、ハリス切れしなかったことが幸いだ。
 クロマグロダブルキャッチにすっかり満足し、11時を回った時点で、お土産を釣ろうとマグロの道具は片付け、ジギングタックルに胴突き仕掛けを作り、死んだサバを短冊にして海底をトントンすると……



 最初はハリス切れ。次いで小型のカサゴ(ウッカリカサゴ)が浮上したが、その次にようやくまともなサイズのカサゴが食ってきた。しかしヒメやササノハベラなどもサバの短冊に食らい付くため、いささか苦笑。



 と、いい当たりが来たと喜んで上げてみるとツノザメ! トゲに刺されては敵わんとサバ用のハリ外しで手を触れずに放流する。(アカイカの時期なら、身をスッテに巻き付けるが)



 そしてゴツゴツと来て、グッと重みが伝わったところで合わせると重量感ある手応えが。これは○○党機関誌、じゃなくてアカハタ……

(地域によって評価は分かれるが、製作者にはご馳走です)



 アカハタに続いてはテンスらしき小型のベラが上がったが、食み跡があるも、「カサゴ、アカハタを目的とした活餌の使用を禁止」という協定があるため、サバの短冊でカサゴを追加する。



 12時頃、カンパチを釣ったお兄さんにマグロがヒットした。
 ソルティガのドラグを駆使し、慎重に寄せていく。ついにハリスまで入り、マグロの姿を確認したが25kg30kgくらいか? 
 これで船中3本目と思ったが、サメに追われたのかハリスが弱っていたのか、まさかのハリス切れ! 残念極まりない!
 しかし、まだ30分以上時間があるため、私も投入時に死んだサバを放り込み、最後の流しでは上乗りさんが持ち帰るには小さいサバをどんどん放り込む。
 しかし、これ以降はメーター級の見事なシイラが上がったのみで、今日の釣りを終えた。




 仕立船は20kg1本、そして私は22kg25kgのダブルキャッチとなったが、今回当たらなかったお客さんも、次回はクロマグロを手にすることを願いつつ、私は南伊豆を後にした。



 小腹が空いたので、稲取の徳造丸でオシツケ(アブラボウズ)の煮付けをつまんだが、これが絶品!


 以下、船宿情報転載。

 10月25日マグロの釣果です。
 20〜25Kg3本ゲットですよ。その他6Kgのカンパチと8Kgのヒラマサです。大型のマグロのバラしも有りましたよ。

 http://www.m-izu-chubei.com/report/database.cgi?cmd=dp&num=1221&dp=


 1124日

  クロマグロは依然として釣れ続き、途中からヒラマサがやたら混じるようになってきたが、「こりゃ、ヒラマサの合間にマグロか」と、思ったが、念のためにお土産を釣る仕掛けも準備しておいた。

 しかし、釣行数日前から食いが一段落してきたので「下手すると
」と、一抹の不安が頭をよぎるが、この間に相模湾のカツオ、キハダもついに抜けてしまったため、腹をくくって出漁した。

 今度はイナンバで出た23号船だが、前回同船したスピニングタックルのお兄さんも、私を含めて5
人だが、今回は艫から2番目となった。こうなるとジグは出番なしか?
 朝方の餌取りはいささか苦労したが、食いだしても最初は良型が多く、小ぶりのマグロには食い込みが悪そうだ……

 何度か反応に乗せていく内に、食いが良くなってきたが、それでもやや大きすぎと感じるサイズが多く、何とか数を揃えてマグロの場所へ向かった。今回は7
時半の到着となったが、どうなるか?

 準備が整ってから、順にサバを投入していくが、潮が悪いのかPE
やハリスにゴミが絡みつき、当たりは遠い。
 その間にお土産釣りをしていた上乗りさんがアカハタを上げるが、私は試しに持ってきたシコイワシやサンマ、一つテンヤ用の冷凍エビまで試すが、当たっても乗らないので、お土産用の胴突き仕掛けに短冊切りのサバを掛け、落としてみると……




 最初はカンコ(ウッカリカサゴ)が食ってきたが、次は結構な重さが! 上げてみると1kg
級のいいアカハタだ。まるでスモールマウスバスかピーコックバスのようだ……
アカハタをもう1尾欲しいと思って続けるが、次に当たったのはカンコ。

 肝心のマグロの道具も、時々追われるのかドラグが鳴るが、食い込むには至らない。船長の話だと反応が出て、ベイトの上に船を立てているが、ゴミが多いと魚も呼吸が難しい可能性があり、そうなると食い気が出ないのかも……

 そう見るや、どんどんサバを刻んでお土産のカサゴを釣っていくが、途中でドチザメに邪魔されたり、深場に落としてアヤメカサゴを釣ったりと、小型魚の当たりには困らなかったが、スピニングタックルで流しているお客さんはしばしば長いハリスの扱いに苦戦していた。
 やはり、10m級のハリスを使う釣りにはレバードラグの方がトラブルが少ないかも……
。(長いナイロンリーダーを使うスピニングマーリンも、システムの扱いに苦労しそうだ)



 そんなこんなでカンコ7尾、アヤメ、アカハタを1尾ずつ揃えたが、肝心のサバにはヒラマサも当たらず、(隣で流していた稲取の定栄丸は、ヒラマサとカンパチを獲っていた)お土産用のサバを首折り&氷締めしてもらい、船は帰港した。

 数日前に食いが止まるまでは、良い釣果に恵まれていたが、この後も時折大型は上がるが、確率の低い状況が続いたため、今年のカツオマグロはこの釣行で打ち止めとなった。



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