2007年から、相模湾には良型のキメジ、キハダが回ってくるようになった。それに伴い、フカセのお客さんも増えてきたが、ここでキハダを手中に収めるための注意点を紹介したい。
(年によってコマセが効いたり、ルアーが効いたりと、いずれの釣り方にも対応できる準備をお勧めします)
2013年8月追記
相模湾キハダ用、ミドルクラスのフカセ、ルアー兼用タックル案。
リール: ダイワ・キャタリナ 5000H
シマノ・ツインパワーSW 12000HG,XG
(フカセに使う場合でも、回収スピードを考えるとハイギアが絶対有利)
フカセで食った場合は、ルアーよりも魚に掛かる抵抗が少なく、細ハリス&小バリで長時間ファイトする場合もあるため、20〜30kg級でもダイワ5000番、シマノ10000番クラスを推奨。
ロッド: ダイワ・CATALINA CASTING HIRAMASA79S・N
シマノ・ゲーム Type C S78M
ダイコー・ヴァージャー VRCS 79HPS/83HPS/VRC82TUNA
アングラーズリパブリック・シーラプチャー SCGS78HM
テイルウォーク・KUROSHIO S710H/S710XH Kitamura tune78HH
テンリュウ・スパイク ツナモデル SK832TN/SK812TN-H/SK872TN-H
ライン: よつあみ・ガリス・ウルトラジグマンWX8PE
ガリス・ウルトラキャストマンWX8PE セカンドバージョン・5号
フカセ専門なら、PE6号を長三朗丸の大船長は推奨するが、(ルアーでも佐野ヒロムは6号を推奨)ダイワ5000番、シマノ10000番だと、6号を300m巻き込めないため、消去法として5号の使用となる一方、より遠投が可能になり、タックルの扱いが容易になる。
※今年(2013年)は、25kg〜30kg前後の「獲り頃」が多いですが、群れによってはキメジ〜60kg級まで混じっています。20kg級ならPE4号&80lbでも獲れますが、大型魚には5〜6号&100〜130lbくらいは必要です。
ロッドの強度的には、最強クラスのシイラロッドでも大丈夫ですが、「新規に購入」する場合は、必ずツナロッドかヒラマサキャスティングロッドを選んで下さい!
マグロ類初心者には「ちょっと強いかな?」と思われるかも知れませんが、そのくらい強度のある道具の方が魚を誘導しやすく、人間サイドの負担も減ります。
(軟らかい竿に太い仕掛けより、堅い竿で細い仕掛けの方が楽に寄せられます)
乗合船でライトタックル使用は、やり取りに時間がかかるのみならず、他のアングラーの迷惑にもなりかねません。
最悪の場合、獲物がサメに食われる危険も増します。(相模湾に入ってくるメジロザメ類は、20〜30kg級のマグロでも平気で食います)7月下旬より、サメに取られた話は随所から入っています。(特に、コマセやエビングで被害大)
相模湾のキハダは、カツオと混成することも多いですが、キハダのナブラは非常に素早く移動します。
そのため、船長がイワシを撒いても、取った(イワシを食った)としても一瞬で姿を消すことも多く、手間取っていては食わせる機会を逃すことにもなりかねない。(場合によっては撒き餌をせず、ボイルや鳥山に付け餌のイワシを投げることもあります)
船が停止し、撒き餌と散水を開始したら、即座に餌を投げましょう。遠くに流すほど有利なので、最初に投げた人が勝ちます。
こんな時も、スピニングタックルを使うと、素早いキハダに遭遇できる機会がぐっと増えるでしょう。
また、ハリス(リーダー)は短めにすることも大切です。余りに短いのは感心しませんが、ラインシステムをリールに巻きこまない長さ(3〜4メートル以内)に設定しておけば、イワシを素早く送り出すことができます。
太ハリスは(特にフロロカーボン)、スプールに巻き込んでもすぐほどけ、トラブルの原因になりやすいので、要注意です。
長いハリスほどやり取りに有利なのは間違いないですが、食わせなければ勝負は始まりません。
ハリスが魚体に巻きついた時、PEが直接、魚体に触れなければ大丈夫です。
場合によっては、移動が早いためかルアーでないとボイルに打ち込めない場合もあります。(2011年は、初期の大型魚は全てルアーで上がっています!)ぜひツナキャスティングタックルと実績のあるルアーを用意してください。
ルアーの場合は「跳ねたら即座に投げ込む」ことも食わせるコツ。
カツオは小型のカタクチイワシを好むとされていますが、メジ・キハダなどマグロ類はより大きなイワシを好んで捕食する傾向があると言われています。
また、小さい餌しか積んでいない場合は、よほど活性が高い場合はキハダも水面で餌を取りますが、低活性時やカツオが多い時は、カツオの下に潜ったまま、浮いてこない場合があります。
こんな時も、大きいイワシを使えば、特にマイワシがあれば、下へ、下へと潜っていくので、高確率でキハダを釣ることができるでしょう。
特に、鳥が多い時は、素早くイワシを潜らせないと鳥が掛かるばかりです。
カタクチイワシでも、でかいやつほど遊泳力があり、遠くまで泳がせることができるので、船を警戒する大型魚には極めて有効です。(オモリで沈めても当たりは遠いようです)
本気で捕食する気になった魚は、トップウォーターの「誘い出し」にも平気で出るくらいですから、水面フラフラは論外ですが、製作者は無理に沈めるくらいならジギングでやります。
基本的に、大きいマグロを釣りたければ、餌はそれなりのものが必要です。
20キロを超えるキハダの場合、サバも有効ですが、高知県の方ではソーダガツオを泳がせることもあるそうです。
相模湾の場合は、「中羽」と呼ばれるサイズのマイワシが最高で、次いで「ゴロンボ」と呼ばれる大型カタクチイワシがあれば、勝算はあります。
(ただし、大型のキハダもシラスや小型のイワシを偏食することがあります)
魚が食うと、ラインが一気に持っていかれるので、一呼吸入れてベールを返せばフッキングします。この時、キハダの口は堅いので、しっかり合わせを入れて下さい。
筆者がかつて勤めていた水産会社で、マグロを捌いた時の経験からすると、キハダがマグロ類の中でも、一番骨が堅い部類に入ります。
とりわけ、ルアーで狙う場合は、フカセの場合と異なり、一本針のフッキングにかかる力が、プラグ類なら通常、トリプルフック2本に力のモーメントが分散し、素人計算では掛かる力が一本針の六分の一です。
筆者もルアー船で、餌釣りでは考えられないほどの数のバラシを目撃しましたが、「掛かりの浅さ」は無視できないでしょう。返し(バーブ)の手前で刺さるのが止まっていれば、あっけなくバレます。
もしルアーで食わせたら、「段ボール箱を貫通させる」つもりで大合わせをくれて下さい。
思い切りフックを貫通させれば、ぐっとランディング率は上がるはずです。
なお、制作者は以前、大間の漁師がイカ型の疑似餌でマグロを掛けたものの、ダンブのような漁具に仕掛けをつなぎ、そのまま海に放り込んだためか、ポロッと外れた場面をTVで見たことがあります。
疑似餌を使う釣りは、大合わせすることを心がけて下さい。
フッキングしたら、10キロ以下の魚なら、ドラグ設定3キロ強の場合、100m前後のランで止まりますが、20キロ超えが食った場合、その走りは想像以上のものです。一気に200m以上持って行かれる恐れもあるので、大型が出る可能性があれば、最低でも300mはリールに巻いておきたいものです。
(200m以下のラインキャパで挑むのは自殺行為そのもの)
太いラインで強引に止めようとしたら、その前に切られます。
むしろ、少々細くしても、ラインキャパを増やして対抗する方が獲れる率は上がるのではないでしょうか?
(しかし、慣れてくると「走られずに上げる」ことさえ可能になってきます。とりわけルアーの場合、餌よりも魚に掛かる抵抗が増え、頭が手前に向いた状態で食わせられるので、最初の段階で主導権を取りやすいようです)
また、マグロは真下に潜ることが多いので、ラインキャパがないと手が付けられません。数十キロを狙うなら、400m巻いた方が安心できるでしょう。
2008年のキハダ騒動では、ハリスをバシバシ切られたり、それに対抗し極太のハリスを持ってきた人もいましたが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
キハダはカツオよりも太いハリスでも食うので、よほどスレていない限り、16号より細くする必要はないでしょう。あまり細いと、飲まれたとき、カツオより発達した歯に当たって切れます。
では、太いのはどうかと考えると、マイワシをスムーズに泳がせることを考えるなら、いくら太くしても上限は30号でしょう。26号程度なら飲まれても切られることはほとんどないと考えられます。それ以上太いハリスは、イワシ餌では食いが落ちること、ほぼ確実です。(オキアミでも30号以上は食いが落ちるようです)
なお、ワイヤーを使ったら絶対に食わないと考えても差し支えないでしょう。
ちなみに、以前ダイワの有名テスターに質問したところ、萩で行われるクロマグロのオキアミ餌のフカセ釣りでは、100キロ近い魚を狙う場合でも、20号ほどのハリスを使うそうです。
(アオリイカを使うなら、60号ハリスでも大丈夫だそうですし、大間ではイナダ餌に80号ハリスを使うそうですが、相模湾では出番は期待できません)
「餌の大きさに合わせて、ハリとハリスを選ぶ」という基本を頭に入れておきましょう。
なお、ルアーの場合はもう少し太くても大丈夫です。
相模湾のキハダは脂があり、素晴らしいご馳走です。
しかし、サメもマグロに味をしめていることが多く、やり取り中、サメに食われることは避けられないことがあります。
そのため、釣っている最中に血や内臓を海に流すことは厳に慎むべきでしょう。その匂いでサメが船に着きます。
また、「なるべく素早く取り込む」という考えを頭に入れて下さい。サメは低周波の震動に敏感とされていますが、掛かった魚が暴れていると、サメはそれを探し当て、自由に泳げない魚を食います。
水中でやり取りしている間は、サメに食われる危険がしばしばあるため、強引すぎるやり取りは厳禁な一方で、隙があれば容赦なく寄せ、素早く船に入れて下さい。
ある程度のパワータックル推奨は、「早く上げて、次のチャンスを狙う」という理由以外に、サメ対策として考えても妥当です。ただ、あまりドラグを強く締めると、ラインブレイクや口切れなどが起きなくても、人間の体力が持たなくなる可能性があるので、ドラグは体力とも相談して設定して下さい。
(通常は5s〜7kg程度までが、平均的な体格の成人男性でも無理なくやり取りできる範囲だが、慣れた人は10kgくらいまでのテンションを掛けるが、口切れには要注意)
ロッド:7フィート半〜8フィート半程度のツナロッド、ヒラマサキャスティングロッド
リール:ダイワ4500番〜6500番(ハイギア絶対推奨)
シマノ8000番〜20000番
ライン:PE4号〜6号(イワシ餌に8号は、やや太すぎるきらいがある) 最低300m必要。
ハリス:フロロカーボンか強化ナイロン、16号〜24号(食いが良い日なら、カツオも20号ハリスに口を使う) 60〜100lb相当
ハリ:タマンスペシャル16号〜18号 極太タマン16号(がまかつ)
メジ・カツオ 13号〜15号 (オーナーばり)
ルアーについては、東伊豆沖に準ずるが、カタクチイワシを想定することが必要。
例: MGクラフト 七星
CB-ONE OZMA-HW
ハルシオンシステム ハルシコ
ダイワ ドラドペンシルツナチューン、オーバーゼアー
シマノ オシア・サーディンボール
マングローブスタジオ ボラドールLS/LD
菊池クラフト 菊池ミノージグ・Bz-hybrid
カーペンター ライブリーサーディン
盛んにボイルしているときは、フローティング系も有効です!
ヤマリア ローデッド
ローカルスタンダード ダイブベイト
ソウルズ ナルド