パヤオのノウハウ(沖縄海域のパヤオについての解説です)
パラシュート
大型のキハダを狙うなら、一番有効な釣方。
地元の釣り人や船長さんは、大型電動リールを使うことが多いですが、ラインキャパさえ確保できれば、カンパチの泳がせ程度のタックルでも十分楽しめます。
竿
各社から発売されている泳がせ用、深海用、マグロ用、トローリング用など。
沖縄で市販されているパラシュートに併用するオモリが100〜200号程度だが、オモリ負荷300号前後の強度(ハリスが最低30号以上を使えるもの)、トローリングロッドなら20〜50Lbクラスなど。
※太軸のハリを使い、向こう合わせで掛ける釣りなので、堅めの竿が使いやすいです。もし軟らかい竿を使う場合は、オモリを仕込んだパラシュートを使わないと、当たっても餌だけ取られます。
キーパーに掛けてウインチファイトするか、スタンディングでやり取りするかで、竿を選んでください。
リール
PE8号〜15号が500〜1000m巻けるもの。
一般的にはミヤマエコマンドなどの大型電動リールが使われるが、他にマリンパワー、ストロングファイター、ややライトにするならビーストマスターやシーボーグブルでも可。
手巻きリールで楽しむなら、トローリング用ならティアグラ、タリカ、ペン・インターナショナル、フィンノール等の16〜50lbモデル。泳がせ用ならTICA、オシアジガー、トルサ、ティアノス、アベット、アキュレート、バトル、ストロングファイタークラシック、オクマのマカイラ、キャバラなど。(スタンディングで釣るなら、ハーネスがあった方が無難)
必ず「2スピード」モデルを選んで下さい。仕掛けの回収時や通常のやり取りでは、素早く巻けるハイギアが重宝しますが、パヤオの魚はやたら遠くへ走ることは少ないですが、ひたすら「下に潜ろう」と抵抗します。この時、少しでも距離を詰めようとするなら、ローギアでないと巻けない時があります。
ライン
竿をしゃくってパラシュートを開くため、ダイレクトに力の伝わるPE8号〜30号、ウルトラダイニーマ、ディープワン、タナセンサーブライトなど。
(8号〜10号の範囲なら、ジギング用のラインもお勧め、日本製にしてください!)
太い分には、ラインキャパさえ稼げれば特に問題ないようです。
接続金具
パラシュートとラインの接続では、素早い着脱、及び最後まで旋回するマグロの引きによる糸よれを防ぐため、ボールベアリング入りのトローリング用スナップスイベルを使って下さい。
延縄用のクリップでも大丈夫ですが、必ずスイベルを組み込んだクリップを使ってください。
なお、細めのラインを使う場合は、ビミニツイスト部分にダイニーマやケプラー、ザイロン等を予め通して、破断防止とすることもできます。
パラシュート
オモリと併用し、餌とハリスを包むものだが、現在は手作り品の他、市販品も沖縄県内の釣具店で入手できる。――石を包んで沈め、回収時は軽くなったパラシュートを巻き上げることもあります。
(大型天秤と組み合わせる場合もあり)
なお、胴突き仕掛けで2〜3本針を一緒に包む場合もあるが、あくまでここでは一本針に限って解説する。
パラシュートの口は針金で縛り、針金を「しゃくれば解ける」ようスイベルに接続する。大型の三つ又サルカンを使うのもお勧め。
ハリス
ナイロン、フロロカーボンの30〜60号、一度に10m〜20m程度使う。
大型の餌を使う上、コマセにフスマ、ヌカ、イカの墨などを混ぜるため、フカセ釣りより太いハリスでも平気で食う。
現在は船長毎に、ハリスを巻きつけるベアリングスイベルを併用した板が考案されているが、もし板を使えない場合は、人差し指と中指の間に針直前のハリスを挟み、あとは八の字を描くように親指小指間に巻きつければよい。
順序@ハリスをパラシュートに入るサイズに巻く。
順序Aパラシュートの底に、巻いたハリスを入れる。
順序Bハリスの上に、練ったコマセを乗せて押さえる。
順序Cハリに餌を掛け、パラシュートに入れて、さらに上から撒き餌とコマセで押さえる。
順序Dパラシュートの口を針金で縛る。
(これは筆者の手順なので、船長によって多少変動する)
※パラシュートにハリス、コマセ、付け餌を入れるときは、お茶の缶を立てたような台があると、効率がぐっと向上します。
ハリ
スーパームツ、タフスーパームツがよく使われるが、管付ムロアジでも、ムロネムリでも、ややネムリが入っていて、大きさと強度を満たしていれば問題ないでしょう。(黒か銀色のハリが主流です)
餌
冷凍ムロアジ、またはキビナゴ、撒き餌にはキビナゴかムロのブツ切り。
コマセとしてフスマ、ヌカ、時にイカの墨などを使う。(コマセは「ハリスを押さえる」ためのものなので、たくさん入れる必要はない)
釣り方
船長の指示ダナまで沈め、針金が解け、パラシュートが確実に開くようしゃくる。
開くと一気にコマセと付け餌が放出され、ハリスが広がりながら伸びていくので、すぐ当たる可能性が高い。
ハリスが伸びきっても、パラシュートはスパンカーで船を立てて釣るため、「一流し一投」のことも多く、その場合は船長の指示があるまで当たりを待つこと。
パラシュートを開いてから10分、15分後に当たることもあるので、焦りは禁物。
何人かで竿を出すときは、タナを変えながら探る。
今後の課題
パラシュートを回収した後、船を立て直す場合は、再投入する余裕がないので、ジギングやキャスティングを併用することも可能。
フカセ釣り
パヤオで冷凍キビナゴを撒きながら操業するフカセ釣りは、小型魚の数釣りが主流で、初心者にも簡単だが、大型魚を釣るには状況を見ることが必要。
(数十キロも「浮いていれば」食ってくるが、浮かないならパラシュートの出番)
竿
泳がせ用、トローリング用の竿で可能だが、パラシュート用よりもライトな方が楽しめる。
(大型魚が浮いた場合は、あまりに柔らかいと折れます)。
オモリ負荷150号以上、推奨ハリス20号以上、12〜30lb強度程度。
なお、キャスティング用やジギング用のスピニングタックルが餌を流しやすいので、ルアータックルをそのまま流用するのもOKです。最強クラスのシイラロッド、ヒラマサキャスティングロッド、ツナロッド、ライトなGTロッド、ライン強度PE4号以上のジギングロッドなど。
リール
PE4号〜10号が300〜500m巻ける両軸リール、スピニングリール。大型魚が出る可能性があればなるべく大型を。
両軸リールはパラシュートと同様、トローリング用や泳がせ用の他、ジギング用も有効。
スピニングリールはステラ、ソルティガからフィッシングサファリやペン・スピンフィッシャーまで。
ライン
PE4号〜10号、ナイロンなら記録狙いでもない限り30lb以上。
なお、PEを使う場合、大型ボールベアリング入りスイベルを使うことも望ましい。
相模湾のフカセよりも遥かに食いが良いため、スイベル類がないと、ラインにヨレがかかる恐れもある。
ハリス
小型のキビナゴをチャミングするため、フロロカーボンの12〜30号程度、あまり太いと食いが落ちる。長さは3〜5mもあれば十分だが、もっと長くしたい方はどうぞ。(長い方がクッション効果が見込める)
ハリ
タマン用、パヤオ用、小型の泳がせ用、
タマンスペシャル、極太タマン、OHパヤオ、PE海人、その他ヒラマサ・カンパチ用、(石鯛用はバレやすいなんて話も)ムツサークルフック、
エサ
冷凍キビナゴ、イワシ、ムロアジ
釣り方
船をパヤオに付けたら、片舷から餌を撒きながら流す、撒き餌のラインを作り、そこに付け餌も同調させて流してやればガツン! と食ってくる。
もし浮いてくる魚が見えるなら、最初に見えるカツオではなく、その後に浮いてくる良型の前に餌を流したい。
外道はツムブリ、シイラ、モンガラ類など混じる。
エビング
村越正海氏が一躍有名にしたエビングだが、沖縄では数・型とも望める釣り方として人気。特にモンガラなどの餌取りが多く、フカセでは釣りにならない状況なら、エビングやルアーが有効。
竿
オモリ負荷200号以上の船竿、泳がせ用よりも深海用がベストか?
スポーツフィッシングとして楽しむなら、150〜200gのジグ対応のジギングロッド(長いモデルも有効)
リール
PE6号〜10号が500m程度巻ける電動リール、タナコンブル、シーボーグブル、ビーストマスターなど。(100〜150号の鋳込み天秤をハイスピードでガンガンしゃくるため、やわな電動リールは使用不可)
ジギングタックルならソルティガ、キャタリナ、ステラ、ツインパワー、オシアジガー、マーフィクスなど。(こちらのラインは4号から6号を400m程度)
ライン=PE4号〜10号、400〜500m程度。
電動リールでしゃくるなら、黒一色のPEでもよいが、それ以外はジギング用ラインを使用すること。150号のオモリを使うなら、それなりの太さが必要。
テンビン周り
一直線のストレート天秤が市販のセットには使われているが、通常使われる沖釣り用の太めの天秤で十分、ただしスナップは延ばされる恐れあり。
オモリは電動リールなら100〜150号だが、ジギングタックルなら80号まで、ジグを使う場合なら200gくらいまでのジグ(はっきり言って、絡まなければ何でもいいです)
ハリス
フロロカーボン20号〜30号、常にしゃくるのであまり細くすると切れる恐れがある。長さは2mほど。
ハリ
ムツサークルフック、リングドムツなど、太めのネムリバリがよく使われるが、タマン用でも十分、地元アングラーはワームがずれないよう、オーナーのワイルドタマン(ケン付き)を使っていました。
ワーム
ヤマリアのエコワーム、ママワーム、ダイワのDRスティックなど。
状況によって、当たる色が偏る場合もあるため、数色持参すると良い。
釣り方
指示ダナまで沈めた後、ハイスピードでガンガンしゃくる!
キャスティング
ロッド=ツナキャスティングロッド、ヒラマサキャスティングロッド
リール=ステラ、ツインパワーの8000〜20000番、ソルティガ、キャタリナの4500〜6500番
ライン=PE4号〜6号、300〜500m
リーダー=ナイロン、フロロカーボンの80〜130lb
ルアー=ポッパーがアピールするのか、有効視されているが、フローティング系のペンシルもよい。
ムラムラポップ、ソルティガバブルメーカー、ドラドポッパー、ドラドペンシル、ドラドスライダー、オシアペンシル、ポッピングベイト、ローデッド、トランペット、ソルティアポッパーなどなど。(小型魚なら、何でも食ってきます)
釣り方=キャスト後、波紋が消えるまで待ってからアクションする、リトリーブが早すぎるとシイラやカツオに食われるので、スローに引くのが有効といわれる。長めにポーズを入れれば、シイラが見に来ても食わないで戻ってくれるが、早く動かすとそのままシイラが食う。
船を立て直す時や、移動中はそのまま引っ張っても食います。
パヤオに居着いているキハダも、時間帯によっては跳ね、ボイルするタイミングを狙うのが効果的、時間帯を外すと、大型シイラゲームを満喫することになる。
ジギング
ロッド=150〜250g対応のジギングロッド
リール=キャスティングと同様、重いジグを使うならローギアを(ベイトタックルも可能だが、一本だけ用意するならスピニング推奨)
ライン=PE3〜4号程度(太すぎると沈み、水切れが悪い)
リーダー=フロロカーボンの60〜90lb(キャスティングと違い、ごまかしが効かないため、太いと食いが悪いが、細ハリスなら傷に強いフロロカーボン推奨)
ジグ=表層を狙う時や、細いラインを使う時は80g程度のジグでも大丈夫だが、それ以外は120〜200g程度のジグを推奨。(150g前後が多用される)
スキルジグ、スキルレオン、背黒ジグ、鉄ジグ、チャクラデルタ・ロング、コモジグ、C−1ロングライド、D3、サイドスラスター、ワイプアウト、ソルティガ・サクリファイス、スティンガーバタフライ等(ブルー、ピンク、シルバー系が有効)
アシストフックは、小型をツインで出すより、大型1本バリで出すのがお勧め。
釣り方=指示ダナより20〜30m下へ沈め、ジャーク中に指示ダナを通過するようにしゃくる。良型狙いなら、あまり指示ダナより上まで巻き上げないで、通り過ぎたら再びフォールする。
フォール中に食うことも多いが、沖サワラにジグを取られることも留意。
ジギング、エビングは特にメバチに有効な場合がある。(浮きにくく、デッドベイトより動く餌を好む傾向がある)
また、沖縄のパヤオではビンチョウが浮くことは考えにくいため、もしビンチョウを意識して狙う場合は、キャスティングやフカセ以外の釣り方になる。